研究課題/領域番号 |
21K08364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長谷川 敦史 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (80747460)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | GATA2 / 血球分化 / DCML欠損症 |
研究開始時の研究の概要 |
GATA2は造血幹細胞の産生と機能維持に必須の転写因子である。特定系列の免疫細胞産生異常を示すDCML欠損症より、GATA2遺伝子変異が多数見つかっており、これまで不明な点が多かった血球運命決定・分化制御におけるGATA2の役割が強く示唆されている。 本研究ではDCML欠損症モデルマウスを用い、GATA2変異により惹起される、造血幹前駆細胞における分化運命の偏向と、責任遺伝子の転写制御異常を解析する。以上より、疾患における造血異常の分子機序を明らかにし、新規治療標的となり得る遺伝子発現ネットワークを探索する。
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研究成果の概要 |
本研究では転写因子GATA2による造血幹前駆細胞の分化運命決定・分化制御機構に着目し、DCML欠損症発症の原因となるGATA2R398W変異により惹起される分化運命偏向を明らかにすることを目的とした。疾患モデルマウス由来リンパ球系共通前駆細胞、さらにBリンパ球系前駆細胞に由来する培養細胞株を用いた遺伝子発現プロファイル解析および細胞機能解析より、GATA2発現パターンの詳細な推移と、GATA2R398W変異に起因する免疫細胞分化・免疫応答・増殖制御に関連する表現型を明らかにすることができた。また本成果は、分化運命偏向解析において効率的かつ良好な結果を得るための解析対象分画の選定に有用となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血球分化過程で造血幹細胞の発生や維持におけるGATA2の重要性はよく知られていたが、DCML欠損症とGATA2遺伝子変異の関連が見出されて以降、これまで不明であったBリンパ球をはじめとする免疫系細胞の産生におけるGATA2の重要性が注目されてきている。本疾患保因者は、感染症の重篤化・感染拡大のリスクを抱え、加齢に伴い進行する免疫機能低下や骨髄増殖性腫瘍発症の逃れ得ない恐怖に対峙しなければならない。本研究により得られた知見は、血球分化におけるGATA2の機能解明に貢献するとともに、新規治療薬につながる標的分子の発見や悪性化の効果的な予防法の開発を目指した基礎医学研究を支えるものである。
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