研究課題/領域番号 |
21K08371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 恒 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20705214)
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研究分担者 |
柏木 浩和 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10432535)
中田 継一 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80849844)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血小板 / インテグリン / GPIIb-IIIa / inside-outシグナル / 血栓・止血 |
研究開始時の研究の概要 |
血小板の活性化は止血に重要であり、その活性化制御機構の障害は脳卒中・心筋梗塞など病的血栓発症につながる。しかし、核を持たない血小板の活性化機構を検討することは容易ではなく、血小板活性化機構の詳細は分かっていない。申請者は先天性血小板機能異常症の解析を通じて「速やか」かつ「持続的」なαIIbβ3活性化キネティクスの重要性を新たに提唱してきた。本研究では、リン酸化プロテオミクスによる網羅的解析結果を発展させ、αIIbβ3活性化キネティクスのダイナミックな制御機構を解明し、将来の新規抗血小板療法への応用・貢献を目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究では血小板フィブリノゲン受容体GPIIb-IIIa活性化キネティクス制御機構の解明を目標としている。GPIIb-IIIaの活性化は単純なON-OFFではなく、活性化速度と持続の重要性を我々はこれまでに明らかとしており、令和5年度も血小板機能異常症の症例血小板を用いた質量分析の結果に基づき、その制御機構の解析を行った。 我々の樹立したGPIIb-IIIa活性化キネティクスアッセイでは、血小板刺激後30秒後の状態が生体内での血栓形成能と関連を持つことが明らかであり、症例血小板における刺激後30秒後のタンパクリン酸化状態について、健常人コントロールとの比較をリン酸化タンパクショットガン解析により実施。リン酸化状態が大きく異なる分子に着目し、GPIIb-IIIaキネティクスを制御する候補分子として検討を進めた。 候補分子の発現ベクターを作成、293T細胞へのトランスフェクション、レンチウイルスを用いた巨核球系細胞株CMKへの導入により、GPIIb-IIIa活性化に対する作用を検討。我々はCMK細胞を用いたGPIIb-IIIa活性化評価法を樹立しているが、生体内での機能を評価するには血小板での評価が必要となるため、iPS細胞に由来する巨核球への候補分子の導入により候補分子の機能評価を現在確認している。 GPIIb-IIIaの活性化において、速やかに活性化を誘導する分子・シグナルと活性化状態を維持するための分子の同定を試み、評価を行っている。新たな着眼点に基づいた試みであり、本研究で得られた知見の応用により、新たな作用機序による抗血小板薬開発に結び付く可能性のある候補分子の検討を行うことができた。
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