研究課題/領域番号 |
21K08373
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
越智 俊元 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (10571086)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | サイトカイン / 一本鎖抗体 / IL-2 / 腫瘍免疫 / 自己免疫 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
Interleukin 2(IL-2)は、免疫の司令塔であるT細胞機能制御に大きく関わるサイトカインである。IL-2受容体にはbg型とabg型とが存在し、前者はT細胞/NK細胞に、後者は制御性T細胞に強く発現している。本研究では、この2つの受容体にそれぞれ特異的に結合するIL-2を開発する。我々独自の新規技術を応用して、一本鎖抗体(scFv)をベースとした次世代型サイトカイン(IL-2 hyperkine)を作製する。scFvに至適なレセプター結合能を調律させ、bg型もしくはabg型受容体にのみ選択的に結合できるIL-2を作製し、難治性がん、移植片対宿主病を対象とした新規治療薬開発を目指す。
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研究成果の概要 |
IL-2は、T/NK細胞が発現するIL-2Rbg型に結合して抗腫瘍効果を増強する一方、主に制御性T細胞が発現するIL-2Rabg型にも結合して免疫を抑制する。本研究では、IL-2Rg (CD132) を認識する一本鎖抗体とIL-2とを連結させ、サイトカイン結合型抗体 (hyperkine) を新たに開発した。その結果、IL-2と比較すると、作製したhyperkineの1つがIL-2Rbg型受容体に同程度結合し、一方でIL-2Rabg型受容体にはより強く結合できることが明らかとなった。腫瘍免疫の増強と自己免疫の制御を目指して、現在各受容体に選択的に結合できるhyperkineの作製を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫療法は、造血器腫瘍などの難治性がんならびに、自己免疫疾患の新たな治療法として注目されている。IL-2は免疫を司る重要なサイトカインであるが、免疫の正と負の反応を選択的に誘導することは依然難しい可能性がある。新たなサイトカイン型抗体の作製によってこの問題が解決されれば、抗腫瘍免疫反応のみ増強したり、不要な自己免疫反応のみ抑制することが可能となりうる。まだ検討すべきいくつかの課題が残されている一方で、今回の研究で得られた成果や、さまざまなサイトカインにも応用が可能と考えられる本技術の持つ高い汎用性は、免疫療法医薬品開発領域に重要なインパクトを及ぼすものであり、社会的意義も高いと考えられる。
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