• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

成人T細胞白血病におけるプロウイルス、ゲノム解析に関連する免疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K08374
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
研究機関熊本大学

研究代表者

野坂 生郷  熊本大学, 病院, 教授 (90398199)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードHTLV-1 / ATL / モガムリズマブ / 成人T細胞白血病
研究開始時の研究の概要

本研究では、ATLにおいてHTLV-1プロウイルス、免疫関連宿主ゲノム変異の解析、ウイルス抗原に対する細胞性免疫応答検索を行い治療反応性・予後との関連を検討する。さらにATL細胞のシングルセルレベルでの遺伝子・タンパク質発現解析からHTLV-1ウイルス遺伝子であるTax、HBZの発現と病態・ATL細胞の多様性との関連を明らかにする。本研究によりATLに対する免疫治療の基盤を確立する。

研究実績の概要

成人T細胞白血病(ATL)における治療反応性とゲノム変異やプロウイルスのタイプの解析をするためにプロウイルスのタイプの同定を行った。また病態の異なる複数のATL症例における免疫関連因子を解析するため、ATL症例における免疫形質の多様性をシングルセル質量分析法であるCyTOFを使って解析し、ATL細胞の大多数は制御性Tリンパ球様の形質を呈した。ATAC-seqの結果から急性型に比して慢性型ATLではクロマチン構造が単球に近いことも判明した。またATLでは自然寛解が多いことが知られており、このATL細胞の樹状細胞への変換が関連している可能性がある。実際、当科で経過観察を行っている一過性に腫瘍細胞が増加したATL慢性型の患者において、樹状細胞様ATL細胞の出現後に自然寛解を来した症例を経験した。現在、当該症例の検体を用いて免疫学的な解析を進めている。また、ATLは元々免疫原性が高いと考えられており、HTLV-1に対する宿主免疫の低下、疲弊の関与が考えられ、免疫回避が起こることで病態の進行や発症に関与している可能性を考えている。ケモカインレセプターの1つであるCCR4に対する抗体であるモガムリズマブは、現在ATLの治療薬として実臨床で使用されているが、その効果には直接的な殺ATL細胞作用に加え、制御性Tリンパ球(Treg)抑制による抗腫瘍/ウイルス免疫の活性化が関与していると考えられている。モガムリズマブ治療が効果的であった症例についてシングルセルでRNAseqを行い、増殖因子や免疫関連因子の解析を行った。Mogが有効であった症例の投与前後における末梢血単核球の発現プロファイルをsingle-cell RNA-seq(scRNA-seq)にて評価し、ATL発症時のCD8+ T細胞においては非古典的Wnt経路に関連する分子、シグナル経路が活性化している可能性を示唆した所見を得ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

成人T細胞白血病症例の登録、治療反応性について、経時的なサンプルを使用し、解析している。また免疫形質等の知見も得つつあるが実施に時間を要しておりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

今後、さらに免疫関連因子の関連性と治療反応性について検討する。さらに予後との関連性詳細に検討する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Clinical Significance of the immunoglobulin G heavy-chain repertoire in peripheral blood mononuclear cells of adult T-cell leukemia-lymphoma patients receiving mogamulizumab.2022

    • 著者名/発表者名
      Nosaka K, Kusumoto S, Nakano N, Choi I, Yoshimitsu M, Imaizumi Y, Hidaka M, Sasaki H, Makiyama J, Ohtsuka E, Jo T, Ogata M, Ito A, Yonekura K, Tatetsu H, Kato T, Kawakita T, Suehiro Y, Ishitsuka K, Iida S, Matsutani T, Utsunomiya A, Ueda R, Ishida T.
    • 雑誌名

      British Journal of Haematology

      巻: 196 号: 3 ページ: 629-638

    • DOI

      10.1111/bjh.17895

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi