研究課題/領域番号 |
21K08381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
岡本 晃直 藤田医科大学, 医学部, 講師 (80775049)
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研究分担者 |
真田 昌 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 高度診断研究部長 (20529044)
安田 貴彦 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 分子診断研究室長 (20723977)
加藤 省一 愛知県がんセンター(研究所), 個別化医療TR分野, 研究員 (30584669)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 不明熱 / リキッドバイオプシー / 悪性リンパ腫 / 血管内リンパ腫 / Liquid biopsy / Droplet digital PCR / NGS |
研究開始時の研究の概要 |
通常の病理診断(生検)が困難な悪性リンパ腫の患者を、採血を用いて補助診断する技術を開発します(リキッドバイオプシー)。 38℃以上の発熱が3週間以上継続し、原因がわからない疾患を「不明熱」と言います。不明熱の3割程度が、リンパ腫と考えられていますが、一部の患者さんは診断がつかないまま衰弱し、治療が受けられずに亡くなる方もいらっしゃいます。本研究は、リンパ腫細胞から壊れ出た、血液中の腫瘍由来のDNAを次世代シーケンサー及び、droplet digital PCRと呼ばれる先端技術を用いて解析し、リンパ腫の補助診断を行なうことで、早期治療につなげます。
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研究実績の概要 |
臨床試験は、古典的不明熱の患者で悪性リンパ腫を疑う患者を対象とし、不明熱として受診した時の、現在の疾患の割合を確かめるとともに、これらを①病理学的な検索、cfDNAを用いた②droplet degital PCRを用いたMYD88とCD79Bの検索、③次世代シーケンサーを用いたB細胞受容体(BCR)、T細胞受容体(TCR)再構成の検索、及び④血液疾患パネルを用いた網羅的な解析をそれぞれ比較した。15施設より50例を登録、49例を解析した。 最終的な病理学的な診断としては、49例の患者のうち、28例が悪性リンパ腫で、21例が非リンパ腫であり、そのうちB細胞リンパ腫が20例、IVLBCLが17例であった。T/KN細胞リンパ腫が8例観察され、対象患者群では、T/NK細胞リンパ腫が1割前後存在することが示唆された。非リンパ腫患者においては、成人発症スチル病が4例と最も多く観察された。 Liquid biopsyとしての検索においては、droplet digital PCRによる証明ではIVLBCLにお患者は17例中16例で陽性であり、非B細胞リンパ腫の患者では全例陰性であったことから、droplet degital PCRの有効性が示唆された。 また、BCR/TCRの再構成に関しては、B細胞リンパ腫においてもTCR再構成の陽性例が一部の症例で観察され、逆にT細胞リンパ腫においてBCRの再構成が検出され、特異性に問題がある事が証明された。 血液疾患パネルは、最も正確性と特異性が高かったが、コストが高く、結果の解釈も煩雑であり、一般臨床への応用の点では、問題が指摘された。 本研究においては、臨床試験が終了し、一時解析が終了したため、日本血液学会総会及び、米国血液学会へ報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り、試験は終了し解析も終了しつつあり、現在論文作成中である。また、本成果を一般臨床に応用するために、現在臨床性能試験について、追加で検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究手法において、IVLBCLの診断においてはddPCRの使用が極めて有効であることが証明された。その結果を用いて、今後製品化について、試薬企業と開発を進めるとともに、IVDグレードの試薬による臨床性能試験を行う予定である。
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