研究課題/領域番号 |
21K08388
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 伸明 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70637686)
|
研究分担者 |
高橋 伸典 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20570196)
田村 彰吾 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (60722626)
鈴木 敦夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 主任臨床検査技師 (80835398)
寺部 健哉 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10816870)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 血友病A / 遺伝子解析 / 血液凝固検査 / 血友病 / 関節症 / 関節エコー / 凝固因子 / 合成基質法 / 凝固一段法 / トロンビン生成試験 |
研究開始時の研究の概要 |
血友病で欠損する凝固因子の活性測定法には凝固一段法(one stage assay:OSA)と合成基質法(chromogenic substrate assay:CSA)の二つの測定法があるが、測定法の違いにより値が乖離する症例が一定数存在する。最近申請者らが行った血友病Aを対象にした研究によりOSAよりもCSAの活性値が高い症例は関節内出血を未発症でも無自覚のうちに血友病性関節症を発症していたことが示された。本研究ではそのような患者さんの凝固学的異常メカニズムの検討と関節症が進行する病態検討を行い、血友病治療における最重要課題である関節症の発症メカニズム解明に取り組む。
|
研究成果の概要 |
非重症血友病A61症例の解析を行い、そのうち16症例で凝固一段法(OSA)と合成基質法(CSA)での活性値に2倍以上の解離を認めた。これらの乖離症例におけるトロンビン生成能の特徴は本研究では明らかにできなかった。また、どちらの活性測定法が臨床的止血能と関係性が高いのかは明らかではなかった。ただし、客観的な比較データとして整えることは出来ていないが、OSAとCSAのどちらが高い、あるいは低い値を呈するにしても、活性乖離のない同程度の活性値の血友病A患者の出血症状、あるいは関節症の進行度と比較した場合、低い方の活性値と相関性が強いことが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CSAが保険収載されるまでは、OSAでの測定しか実施されず、OSAでの活性値のみで評価されてきた。しかし、OSAの活性値が高くとも、CSAの活性値が低い症例ではOSA活性値が同定度の症例よりも出血頻度が高い傾向があり、CSAでも測定評価する意義があると考えられた。また本研究で、活性乖離症例が非重症症例の中で30%近く占めていることが明らかになったことから、活性乖離症例は稀な病態ではないことが明らかになった。今後はこのような症例があることをアナウンスしていくことにより、血友病A患者がより正しく病態評価され、適切な治療を受けられる可能性がある点で診療レベル向上の点で意義がある。
|