研究課題/領域番号 |
21K08393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青木 一成 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (30618020)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | CXCL12 / CXCR4 / cBAF / SMARCA4 / ARID1A / クロマチン / RUNX1 / 転写制御 / CRISPR / 造血幹細胞 / ニッシェ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「in vivoでの造血幹細胞の骨髄へのホーミング・骨髄での維持においてCXCL12の生理的受容体CXCR4の下流でどのような細胞内分子が機能しているか」を明らかにする。CXCL12-CXCR4軸は造血幹細胞の骨髄へのホーミング・骨髄での維持に必須であるが、CXCR4の下流でどのような細胞内分子が機能しているかは十分明らかにされていない。ゲノムワイドCRISPRスクリーニング法を用いて、CXCR4の下流で機能している細胞内分子を同定する。本研究成果は、造血幹細胞・白血病幹細胞の維持機構の解明、新たな造血幹細胞動員法や造血幹細胞ホーミング効率改善法の確立などに役立つ可能性が期待される。
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研究成果の概要 |
造血幹細胞や急性白血病細胞のCXCL12応答性がどのような分子メカニズムで制御されているのかに関しては不明である。我々は、CRISPRスクリーニングを用いて、cBAFがヒトT-ALLの細胞株のCXCL12応答性に必須であることを発見した。cBAFは、RUNX1結合領域のクロマチンアクセシビリティをゲノムワイドに制御しており、RUNX1のゲノムへの結合、CXCR4, CDK6などのRUNX1制御遺伝子の発現に必要である。そのため、cBAFの機能抑制は、CXCL12への遊走活性の低下、細胞増殖の抑制をもたらす。これらのことは、cBAFがT-ALLの有望な治療標的であることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
cBAFは、T-ALL細胞のCXCL12応答性と細胞自律的増殖を制御しており、T-ALLの有望な治療標的の一つである。急性白血病と呼ばれる血液腫瘍のうち、成人では約5%、小児では約10-15%がT-ALLに分類される。約80%の患者さんで長期生存率が得られているが、残りの患者さんでは治療抵抗性である。今後、有効かつ安全なcBAF機能抑制薬が開発され、T-ALL患者さんの予後の改善に寄与することが期待される。
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