研究課題/領域番号 |
21K08400
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
國本 博義 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80464923)
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研究分担者 |
中島 秀明 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30217723)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | YCU-AML1 / OCI-AML20 / EZH2 / apoptosis / GADD45g / p38 / p53 / アポトーシス / 高リスク染色体異常 / 抗がん剤耐性機構 |
研究開始時の研究の概要 |
3番染色体の逆位・転座(inv(3)/t(3;3))を有する骨髄系腫瘍は高率に7番染色体の欠失(-7)を合併し、両者を有する患者は極めて予後が悪い。しかしinv(3)/t(3;3)と-7が如何に協調して予後不良な白血病を発症させるのか、分子基盤は不明である。 本研究では、t(3;3)と-7を有する新規白血病細胞株YCU-AML1を応用し、inv(3)/t(3;3)と-7を有する白血病が強力な抗がん剤耐性機構を有するのかを明らかにし、その分子基盤の解明を進める。本研究の成果は、inv(3)/t(3;3)と-7を有する白血病に特徴的な抗がん剤耐性機序の解明と新たな治療法の開発に繋がると期待される。
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研究成果の概要 |
inv(3)/t(3;3)と-7を有する白血病細胞に感受性を示す化合物を探索するための薬剤スクリーニングの結果、EZH2阻害剤がinv(3)/t(3;3)と-7を有するYCU-AML1とOCI-AML20に高い感受性を示した。In vitro培養系を用いた解析でも、EZH2阻害剤はYCU-AML1、OCI-AML20の細胞増殖を有意に抑制し、効率的にアポトーシスを誘導することが示された。本白血病細胞でEZH2阻害がアポトーシスを誘導する分子経路を検証するため、RNA・CUT&Tagシーケンスを実施し、GADD45g-p38-p53経路の活性化がアポトーシス誘導に必須の役割を担うことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床的に予後不良なinv(3)/t(3;3)と-7の両者を有するMDS/AML細胞の細胞増殖を抑制し効率的にアポトーシスを誘導する分子標的薬としてEZH2阻害剤を見出すことに成功した。in vitro培養系のみならずin vivo生体モデルでもEZH2阻害剤はYCU-AML1によるヒト白血病発症能を抑制することも確認した。その分子基盤として、GADD45g-p38-p53経路の活性化がEZH2阻害によるアポトーシス誘導に必須であることを明らかにし、定常状態における本経路の抑制がinv(3)/t(3;3)と-7を有する白血病のアポトーシス回避に重要であることを明らかにした。
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