研究課題/領域番号 |
21K08401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
長田 直希 自治医科大学, 医学部, 助教 (60840858)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / Lenalidomide耐性 / AP-1ファミリー / ChIP-Seq / IKZF1複合体 / ChIPシークエンス / Ikaros複合体 / 免疫調節薬耐性 / ChIp-Atlas / Ikaros / 免疫調節薬 / 転写制御 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
Ikarosは多発性骨髄腫の生存に重要な転写因子で、標的遺伝子としてIRF4が知られているが転写制御の機序については不明の点が多い。 予備実験にて、Ikarosの標的遺伝子を網羅的に解析し、それらに共通する結合配列の同定と協調して結合する因子の同定を試みた。結果、標的候補遺伝子を複数同定することができ、中でもCD48、CD147について配列情報を詳しく解析したところ、IRF4とSLAMF7にはFos結合配列があるが、CD48とCD147にはFos結合配列がないことがわかった。 従って、Fosがlenalidomide耐性を引き起こしている可能性があり、耐性機序の解明および耐性解除について検証する。
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研究成果の概要 |
多発性骨髄腫治療においてlenalidomide(Len)は重要な役割を果たしている。臨床的にもその耐性化は喫緊の課題となっているが、その耐性化機序は不明である。本研究では、1)activator protein-1(AP-1)ファミリー転写因子であるc-FosがIKZF1と複合体を形成し、骨髄腫細胞の増殖に必須の遺伝子の転写を活性化させること、2)LenによりIKZF1発現が低下しても、c-Fosが残存することでLen耐性が誘導される機序を見出した。さらにAP-1阻害剤とLenの併用は、In vitroおよびIn vivoにて優位な増殖抑制効果と生存期間の延長をもたらすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者が見出したc-Fosは、AP-1ファミリー転写因子群(c-Fos/FosB/c-Jun/JunB/BATF)に属している。最近AP-1ファミリーは、多発性骨髄腫(MM)において多剤耐性獲得と再発にかかわっていることが次々と報告されている。本研究結果は、MMにおけるAP-1阻害剤の効果を明らかにした世界初の報告である。今後、新たな治療戦略の開発を介してMMの予後を改善する効果が期待できる。
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