研究課題/領域番号 |
21K08410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
市川 一誠 山形大学, 医学部, 講師 (50436218)
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研究分担者 |
東梅 友美 山形大学, 医学部, 講師 (40802111)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 造血幹細胞移植 / 急性移植片対宿主病 / 急性腎障害 / allo-HCT / aGVHD / AKI / エラフィン / elafin / 同種造血幹細胞移植 / 同種造血細胞移植 / GVHD / NGAL / Elafin / ドナーT細胞 / 腎障害 / ドナーMHC陽性細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
同種造血幹細胞移植療法(allo-HCT)は血液悪性腫瘍、造血不全ならび免疫疾患に対して広く根治療法として施行されている。移植後の急性腎障害(AKI)は比較的頻度の高い合併症であり、前処置毒性、免疫抑制剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤などが原因と考えられてきたが、明確な原因を見出せない事も多い。急性移植片対宿主病(GVHD)の標的臓器として、皮膚・肝臓・消化管という三大臓器が広く認知されているが、腎臓については明らかになっていない。本研究により急性GVHDにおけるAKIの発症メカニズムを明らかにし、allo-HCT後の腎機能障害の発症予防ならび治療法の開発につながる事が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では急性移植片対宿主病(aGVHD)と急性腎障害(AKI)の関連に注目した。同種ドナーから骨髄移植を受けたマウスでは、腎臓にドナー由来のTリンパ球が多く浸潤し、これらのTリンパ球には活性化マーカーや疲弊マーカーが発現していた。同種移植レシピエントの腎臓では好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)とエラフィン蛋白の発現が増加していた。In vitroの実験系では、同種反応性T細胞との共培養によって腎細胞の細胞死が誘導されていることも確認した。同種ドナー由来のTリンパ球がレシピエントの腎臓を傷害していること、すなわちaGVHDが造血細胞移植後のAKIに寄与していることが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血細胞移植の合併症として急性腎障害(AKI)がしばしば発生し、その原因として薬剤や感染症などの要因が想定されているが詳細には解明されていなかった。本研究では、同種ドナー由来のTリンパ球がレシピエントの腎臓を傷害していること、すなわちGVHDが造血細胞移植後のAKIに寄与していること実験系で示した。造血細胞移植患者の腎予後を改善するために、腎臓特異的GVHDのより詳細な病態解明と治療法の開発が望まれる。
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