研究課題/領域番号 |
21K08413
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉本 直志 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点准教授 (10447956)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | iPS細胞 / 血小板 / HLAクラスI / 遺伝子編集 / NK細胞 / TGF-β / ヒト化マウス / TGFβ / プロテオミック解析 / 免疫抑制分子 / ライブ動態解析 / HLA / 免疫寛容 |
研究開始時の研究の概要 |
高度の血小板減少症では血小板の輸血が行われるが、HLAクラスI不適合に起因して約5%では拒絶される。ユニバーサルな解決策となるHLA-I欠失血小板を製造したところ、他のHLA-I欠失細胞と異なり血小板はNK細胞に攻撃されないことが判明した。そこで、各種解析によって寄与候補分子を同定し、ヒト化マウスを用いたビボ検証等を行うことにより、血小板のNK細胞に対する免疫逃避メカニズムを解明する。本研究は、多様な免疫病態に関与する血小板の作用メカニズムに新知見をもたらし、新規治療戦略に結びつくと期待される。
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研究成果の概要 |
HLAクラスIの違いに起因する拒絶反応よって起こる血小板輸血不応症への対応手段として、我々はHLAクラスI欠失iPS細胞由来血小板を開発した。本研究では、HLAクラスI欠失iPS血小板とその元となるHLAクラスI欠失巨核球株imMKCLを用いた、インビトロNK細胞共培養解析、NK細胞再構成ヒト化マウスを用いた移植検証、細胞動態ライブイメージング解析、プロテオミクス解析を行った。これらの解析により、HLAクラスI欠失iPS血小板の免疫逃避性を再確認するとともに、免疫抑制分子であるTGF-βがこの血小板のNK細胞に対する免疫逃避性に寄与することを示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血小板は、赤血球輸血や骨髄移植、臓器移植と異なり、適合性を考慮しなくとも他者に輸血が可能という特異的な免疫性質を有する。そのメカニズムはこれまで不詳であったが、本研究はその一端を解明することに貢献する。この様な血小板の特徴は、血小板増加をしばしば引き起こすことのある、がんが免疫システムの攻撃を逃れていることに関与している可能性も考えうる。 本研究で示された血小板の免疫を逃れる性質とそのメカニズムは、その応用によって輸血や移植医療の免疫的なバリアーの克服を一歩進める一方、抑制的に制御することによってがんに対する新たな治療法の開発につながる可能性がある。
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