研究課題/領域番号 |
21K08417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2022-2023) 九州大学 (2021) |
研究代表者 |
住谷 瑛理子 東京大学, 医学部附属病院, 特別研究員 (50724754)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨髄ストローマ細胞 / 骨髄発生 / RANKL / 発生 / 細胞分化 / 骨髄の発生 / 未分化間葉系細胞 / 骨芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
骨髄は造血の場として生命の維持に重要な役割を果たす。骨髄を構成する間葉系細胞群である骨髄ストローマ細胞は造血幹細胞の支持に欠かせないことが示されてきたが、骨髄ストローマ細胞の発生学的来歴は明らかにされていない。これまでの研究においてマウス胎仔の骨原基にTNFスーパーファミリーサイトカインであるRANKLを高発現する未分化間葉系細胞を見出した。本研究では胎仔RANKL陽性細胞から骨芽細胞および骨髄ストローマ細胞への分化を制御する遺伝子を探索・同定することで「未分化間葉系細胞から骨芽細胞および骨髄ストローマ細胞への分化運命を決定づける因子は何か」を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
骨髄は哺乳類の主要な造血組織である。骨髄の形成は胎児期に骨の発生と並行して進むことが知られるが、骨髄を構成する細胞の由来や分化系譜には未解明な点が残る。本研究ではマウス胎仔における骨と骨髄の間葉系細胞の分化系譜の解析に取り組んだ。その結果、最初期の骨髄を構成する一部の幼若間葉系細胞群がすでに骨芽細胞や骨髄ストローマ細胞などに分化が方向づけされており、発生の進行に伴って成熟していくことが明らかになった。併せて、成長する骨髄と軟骨層の境界領域に胎仔期のセプトクラストが出現することを見出した。本研究によって造血組織の発生に寄与する細胞群の性状の一部が新たに明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗がん剤による化学療法に伴う骨髄抑制や、加齢による造血機能の低下に起因する貧血などに対して骨髄機能を賦活化する治療法の開発が必要とされている。機能的な骨髄の再建には、造血幹細胞の移植のみならず、同時にそれ支持する微小環境を再構築することの重要性が指摘されているが、その方法は確立されていない。本研究によって発生期の幼若骨髄を構成する細胞群の由来や性状の一端が明らかとなり、生体にプログラムされた造血環境の構築メカニズムに対する理解が進んだという学術的な意義に加え、同定した幼若細胞群に関する知見は将来的には人工的に骨髄を再建する技術の開発に資する可能性がある。
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