研究課題/領域番号 |
21K08429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮脇 恒太 九州大学, 医学研究院, 助教 (50774709)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 / DLBCL / MYC / MYC関連DLBCL / 分子標的薬 |
研究開始時の研究の概要 |
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、最も頻度の高い悪性リンパ腫でありながら、約5割の患者が亡くなっており、これら難治性DLBCLの治療法開発は急務である。癌原遺伝子であるc-MYC(MYC)の過剰発現や変異を有するMYC関連DLBCLは、難治性DLBCLの多くを占めるが、MYC自体に対する創薬は困難とされている。そこで本研究では、大規模な臨床検体の解析を通じて、MYCの制御下においてDLBCLの増殖に不可欠な働きを有する代謝関連分子を同定し、難治性DLBCLに対する新たな標的治療の有効性、実現可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、最も頻度の高い悪性リンパ腫でありながら、約5割の患者が亡くなっており、これら難治性DLBCLの治療法開発は急務である。癌原遺伝子であるc-MYC(MYC)の過剰発現や変異を有するMYC関連DLBCLは、難治性DLBCLの多くを占めるが、MYC自体に対する創薬は困難とされている。そこで本研究では、大規模な臨床検体の解析を通じて、MYCの制御下においてDLBCLの増殖に不可欠な働きを有する代謝関連分子を同定し、難治性DLBCLに対する新たな標的治療の有効性、実現可能性を検証する。MYC関連DLBCLに対する治療法を確立することができれば、DLBCL診療を大きく変革することが期待される。 現時点で、治療標的候補の抽出とその臨床的・細胞生物学的意義の解明および治療標的としての妥当性の検証、そしてMYCとの関連における機能解明まで研究が進捗している。今後は治療標的としての有用性・実現性の検証を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的達成のための行程として、以下の4つのステップの実施計画を立案した。 1 治療標的候補の同定、2 治療標的分子の臨床的意義の検証、3 MYC関連DLBCLにおける機能の解明、4 阻害剤の開発と効果の検証 1では、実臨床に直に還元したいという考えの基づき、実際の患者検体の解析から、標的遺伝子の抽出を試みた。この目的のため、多数例のDLBCL患者の診断時生検検体(ホルマリン固定標本)を対象に、nCounterによる網羅的遺伝子発現解析を実施し、現行の標準治療が奏効しない症例に特徴的に発現している遺伝子を探索し、予後不良症例に特異的に高発現する新規治療標的候補を複数同定した。 候補遺伝子がMYC関連DLBCL細胞の生存・増殖にとって必須の遺伝子であるかどうか(依存度)は治療標的候補の評価として重要である。CRISPR-Cas9系を用いた網羅的ノックアウトスクリーニングを通じて、DLBCL細胞の標的候補遺伝子への依存度を評価した。また、CRISPR-Cas9スクリーニングのデータベース解析により、標的候補遺伝子への依存度を細胞種横断的に検証したところ、多くの細胞株において候補遺伝子をノックアウトすると生存できない、すなわち生存・増殖に不可欠な遺伝子であることが判明した。そして、この遺伝子への依存度は、造血器腫瘍、特にDLBCL細胞において、他の細胞株に比して高いことが明らかになった。さらに、3では、MYCと標的候補遺伝子の生物学的関連を明らかにするために、細胞株を用いてChIPシークエンスを実施し、MYCのゲノム結合部位を探索した。結果、MYCが標的候補遺伝子の転写調節領域に結合することを明らかにした。これはこの遺伝子の発現をMYCが上流で制御していることを示唆している。この裏付けとして、MYCのノックダウンを行い、実際に標的候補遺伝子の発現が抑制されていることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は上記計画における4を中心に研究を進める。 DLBCL細胞を標的候補遺伝子阻害剤の存在下に培養することで、阻害剤のin vitroでの治療効果や、DLBCL細胞に与える影響(細胞周期やアポトーシス)を評価する。また、患者由来のMYC関連DLBCL細胞を免疫不全マウスに移植することで作成した難治性DLBCLモデルマウス(PDX model)を治療し、その効果および副作用をin vivoで検証する。
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