研究課題/領域番号 |
21K08434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
竹田 正秀 秋田大学, 医学系研究科, 講師 (30466594)
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研究分担者 |
植木 重治 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (60361234)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 好酸球 / ETosis / 気道上皮細胞 / DNA traps / galectin-10 / サイトカイン / 喘息病態 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性喘息の存在が示すように、喘息のさらなる病態解明は喫緊の課題である。我々は近年、好酸球が過剰な刺激を受けた際にETosisという細胞死を起こすこと、ETosisの結果、好酸球内のgalectin-10が放出され、また細胞外トラップと呼ばれるクロマチン線維が放出されることを報告した。galectin-10や細胞外トラップは炎症局所で放出され、気道上皮細胞にも作用することが考えられるが、気道上皮細胞の機能に影響を与えるかは報告されていない・以上から本研究では①galectin-10が気道上皮細胞機能に与える影響、②細胞外トラップが気道上皮細胞機能に与える影響について明らかにすべく研究を行う。
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研究実績の概要 |
喘息患者の気道上皮周囲には好酸球の集積が多数みられることが知られている。好酸球は気道局所で活性化し、ETosisをきたすことが考えられる。ETosisをきたし た好酸球からは、galectin-10や細胞外トラップとして知られる、DNA Trapsが放出されることが報告されている。喘息の炎症局所では、気道上皮細胞と好酸球の相互作用によって、気道上皮細胞からのサイトカイン産生や粘液産生機構に影響がある可能性がある。本研究では、気道上皮細胞と活性化によりETosisをきたした好酸球との相互作用について研究を行う。 2022年度は、好酸球ETosisによって放出されるDNA trapsが気道上皮細胞の細胞機能に与える影響について検討した。具体的には、ウェルプレート上でPMAにより好酸球を刺激しETosisを引き起こす。その後DNA trapsを溶解するDNase添加群、非添加群に分け、パラホルムアルデヒドを用いて固定を行う。その状態で気道上皮細胞株NCI-H292を発育させ、24時間後の形態変化を観察した。その結果、ウェルプレート上にDNA trapsが存在している群では、気道上皮細胞の発育が悪く、DNA trapsが気道上皮細胞の発育に関与することが示唆された。加えて培養上清についてBioplexを用いて気道上皮細胞からのサイトカイン産生について、検討した。その結果DNA traps存在群にてTSLPやIL-8の産生が亢進していた。特にTSLPは近年喘息病態への関与が注目されており、好酸球と気道上皮細胞の相互作用によってTSLP産生が亢進することは、好酸球性炎症による喘息病態の解明にも関わる重要な知見であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度はgalectin-10の気道上皮細胞機能に与える影響を検討でき、2022年度は、好酸球DNA trapsが気道上皮細胞機能に与える影響について特に、分化能やサイトカイン産生について当初の予定通り検討することができた。2023年度はDNA trapsが気道上皮細胞の分化に与える影響についてxcelligence systemを用いて詳細に検討していく予定である。また、気道上皮細胞のタイトジャンクションに対する影響についても検討していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
好酸球ETosisによって放出される、galectin-10やDNA trapsが気道上皮細胞の分化能に関わっていることについて、xcelligence systemを用いて検討を行っていく。また、我々は近年、好酸球ETosisによるDNA trapsを抽出することに成功した。これまでは、ウェルプレートの下層にDNA traps、その上から気道上皮細胞を発育させる実験系であったが、このDNA traps抽出液を用いることで、気道上皮細胞株を先に発育させたうえで、その後にDNA traps抽出液を加えることで、サイトカイン産生能やタイトジャンクションへの影響などについても検討を加えていきたいと考えている。
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