研究課題/領域番号 |
21K08447
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
平野 隆雄 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (10165186)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | IgE / I型アレルギー / アナフィラキシー特効薬 / モノクローナル抗体医薬 / エピトープ / アナフィラキシー治療薬 / 抗Fab-IgE抗体 / 即効性 / 特効薬 / Fab抗IgE抗体 / アレルギー疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
I型アレルギー機序において、マスト細胞・結合IgEを標的とした、新しい機序・機構を応用した抗アレルギー抗体薬であり下記の臨床効果が期待できる。 1.花粉症時期に前もって抗体を投与しておくと、花粉症症状が改善される。 2.各種アナフィラキシーの症例この抗体を投与するとそれを防御し、致死的状況を回避が期待される。 3.各種I型アレルギー疾患(喘息、アレルギー性鼻炎など)で有力な治療薬と成りうる。
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研究実績の概要 |
喘息、花粉症、食物アレルギーに代表されるI型(即時型)アレルギー疾患のモデル動物に著効する抗IgE抗体Fab(クローン名6HD5)の作製に成功した。 (Hirano T et al. scientific reports 2018) この抗体Fab(6HD5) はマスト細胞上の高親和性 IgE受容体(FceRI)に結合するIgEに直接作用して、即効的にアレルギー反応を長期間阻止することを見出した。また、エピトープ解析から、この抗体はIgEのFc領域のCH2ドメインに結合することが明らかとなった。2022年度は抗IgE(HMK12 Fab)抗体のIIgE結合部位解析を進めるために播磨理研の放射光科学研究センター生物系ビームライン基盤グループ (構造領域)との共同研究を実施した。(Binds-Amed:構造領域2445:支援課題内容:抗IgE抗体のIgE結合部位の解析と抗IgE抗体によるIgEのIgE受容体結合部位の構造変化の解析)Fab-HMK-12 のエピトープがIgE Fc(ab')2上にあるというデータが理研グループによる結晶解析によって確認された。さらに2023年度はHMK-Fab抗体がIgE Fc(ab')2に結合することによってFc領域に影響を及ぼし、FceRIに対するアフィニティーを低下させることが明らかにされた。新しい機序によるI型アレルギー阻止反応を解明した本研究の結果は画期的な抗体医薬の開発につながる可能性を示唆している。この研究成果はCommunications Biology 投稿し現在revisedの状態です。ヒトIgE を実験動物に免疫してhybrodomaを作成してモノクローナル抗体 6クローン確立してFab-HMK-12と同様な機能を持つクローンを検索している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(BINDS-AMED)との共同研究:2020年,5月より播磨理研との共同研究を開始している。Fab-HMK-12がIgE- IgE Fc(ab')2のどの領域をどのように認識するかを結晶構造解析によって明らかにする目標であった。下記に播磨理研での研究内容の概要を述べる。Fab-HMK-12/IgE IgE Fc(ab')2複合体の物性確認:X線結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡構造解析の構造解析では、対象の物性(構造の均一性)解析が重要である(2)結晶化スクリーニング:複合体溶液を結晶化試薬溶液と混合し、結晶が析出するか観察(3)結晶構造解析:SPring-8にあるマイクロビームビームラインの利用により、数ミクロンの結晶からでもX線回折強度測定が可能当研究室からは純化したFab-HMK-12 /IgE Fc(ab')2を複数回供給して構造解析が成功しその詳細をCommunications Biology に投稿し現在 revisedの状態である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の結果より今後創薬としてヒト化Fab抗IgE抗体が作成され臨床応用される次のような効果が期待できる。1.食餌アナフィラキシー及び各種アナフィラキシーの起こった患者さんに即座に抗IgE抗体を投与すると致死的状況が回避されるアナフィラキシー特効薬 2.花粉症時期に当日Fab抗IgE抗体を投与しておくと、花粉症症状を防御出来る即効花粉症医薬。3.各種I型アレルギー疾患(喘息、アレルギー性鼻炎など)で有力な即効治療薬と成りうる。I型アレルギー機序において、マスト細胞・結合IgEを標的とした、新しい機序・機構を応用した抗アレルギー薬の登場である。臨床応用が期待される。現在当大学アトピーセンター奥村教授との共同研究により、ヒトIgE-Fcを用いた創薬の研究が進行している。
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