研究課題/領域番号 |
21K08449
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
|
研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
河南 崇典 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20350762)
|
研究分担者 |
石垣 靖人 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (20232275)
正木 康史 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40238895)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 脂肪幹細胞 / ドライマウス / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脂肪幹細胞の産生するサイトカインや細胞外マトリックス等の再生因子が、免疫細胞のバランスの適正化にどう関与するのかを検討するとともに、脂肪幹細胞の唾液腺への分化、また、唾液腺幹細胞への関与を検証するといった脂肪幹細胞を用いた唾液腺の細胞治療を目指すものである。
|
研究実績の概要 |
C57BL/6-Tg(CAG-EGFP)グリーンマウスから得られた脂肪由来幹細胞(ASC)を、シェーグレン症候群(SS)の病態を示すモデルマウスに移入を行った。SSモデルマウスとしては、NZB/Nslc x NZW/NSlc F1の交配によって生まれるNZBWF1マウスを使用した。当該マウスは、顎下腺における炎症性細胞浸潤が観察される。ASCの移植治療効果を検討する前段階として、 NZBWF1マウスの炎症性細胞浸潤について検討を行った。NZBWF1マウス(4ヶ月齢)を購入し、当大学にて1ヶ月以上飼育したマウスの内、炎症性細胞浸潤の確認ができた割合は80%であった。 また、ASCの供与体としてC57BL/6-Tg(CAG-EGFP)マウス(6週齢)の鼠径部脂肪組織を切除・細切した後にコラゲナーゼにより分散、プレート上に播種し、脂肪幹細胞の採取を行った。得られた脂肪幹細胞を既知の各種細胞表面マーカーの発現について確認を行うと共に、骨、軟骨および脂肪への分化の確認を行った。 NZBWF1マウスは、5ヶ月齢以降の♀マウスでSSの病態を高率に発症する。5ヶ月齢になった♀マウスを用い、ASCの移入を行った。 ASCとアテロコラーゲンゲルの混合液を作成し、1x105 cellsのASCを顎下腺近傍に移入した。ASC投与群, ASC非投与群, Wild type群(C57BL/6)の1,3,5週目の血清をアニマルランセットで採血し、5週目にそれぞれの顎下腺、涙腺を採取し、HEとPAS/Alucian Blue(pH2.5)染色を行い、「腺房」と「導管」の粘液分泌の機能の更新、減弱、唾液分泌の機能破壊(組織の萎縮などによる崩壊)の観察を行った。また投与5週目に採取した顎下腺・涙腺のGFP陽性細胞の生着と分化について検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NZBWF1マウスは、SSの病態を自然発症するが、発症の割合、頻度にばらつきがある。本実験では、SSの病態を示すモデルマウスへの、ASCによる治療効果、生着と分化を評価する必要があるため、モデルマウスにおけるSSの発症の割合、頻度、病態の定量的・定性的評価(炎症性細胞浸潤のfocus score)が必須となる。これらの評価法について検討を行っている。 グリーンマウスから得られたASCについては、既知の脂肪幹細胞のマーカーであるCD29, CD44, CD73, CD90, CD105, CD117, anti-Sca1で評価を行い、また、その分化能についても確認を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
NZBWF1マウスの、SSの病態による唾液腺傷害とその評価について経時的な炎症性細胞浸潤のfocus scoreの測定と、形態学的な組織障害および唾液分泌量の測定を行い、SS病態モデルの定性的・定量的評価法を確立する。また、ASCの移入による組織の再生、生着と分化、治療効果を測定するため、両側顎下腺へのASCの投与群、非投与群を比較し、唾液分泌能の再生、改善、形態学的な評価、総タンパク量の測定、確認を行う。ASCの投与による治療効果、生着と分化を評価するには、明瞭な病態を示すモデルマウスの確立が必要である。現在、NZBWF1マウスを病態発症モデルマウスとして使用しているが、自然発症モデルということもあり、発症の頻度と程度にばらつきが多く、その評価が難しいという問題がある。自然発症モデルとともに今後、コラーゲン誘導関節炎モデルについても検討を行う。
|