研究課題/領域番号 |
21K08461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
玉井 慎美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380862)
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研究分担者 |
植木 優夫 長崎大学, 情報データ科学部, 教授 (10515860)
川尻 真也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20457576)
柳原 克紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40315239)
大山 要 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (50437860)
川上 純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90325639)
鵜飼 孝 長崎大学, 病院(歯学系), 教授 (20295091)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 発症予測 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ発症リスクの解明が進むにつれて発症抑制の対象が未分類早期関節炎から、臨床的関節炎をきたしていないが関節痛がある者、MRIあるいは関節超音波で検出される炎症を有する自己抗体陽性者へシフトしている。本研究はMRI、関節超音波を用いて臨床的関節炎を呈していないRA発症高リスク者をスクリーニングし、発症に至る過程でRA特異的自己抗体である抗シトルリン化蛋白抗体の性状変化や質量分析を用いたRA特異的新規自己抗体発現の変化、口腔マイクロバイオームの変化を前向きにフォローアップし、遺伝素因を含めて得られたデータを人工知能で解析しRA発症の予測モデルを確立する。
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研究実績の概要 |
関節リウマチ(RA)では発症リスクの解明が進むとともに発症前段階を対象とした研究にシフトしている。本研究は、RA前段階の未分類早期関節炎(unclassified arthritis: UA)、更に前段階の臨床的関節炎を呈さないRA発症高リスク者(clinically suspicious arthralgia: CSA)を対象に臨床的所見や発症経過の他、磁気共鳴(MRI)や関節超音波といった高感度画像、RA特異的自己抗体である抗シトルリン化蛋白抗体の抗体価と糖鎖修飾の変化、質量分析を用いたRA特異的新規自己抗体の発現とその変化、唾液検体を用いた口腔マイクロバイオーム、HLA遺伝因子のデータを人工知能を用いた発症の予測モデル確立を目的とする。初年度は臨床倫理申請を行なうなど体制を整え、2年目は画像検査を含めた背景データの収集、唾液検体からのDNA抽出を行い、3年目の今年度は更にデータ収集と唾液DNA解析を行なった。早期関節炎68例の背景は女性比率73.5%、年齢中央値60歳、罹病期間約3ヶ月、自己抗体は60-70%陽性、炎症反応は8割に認められ、2010年RA分類基準スコアの中央値6、初診時X線スコアは中央値0であった。手指関節MRIでは初診時滑膜炎89%、骨髄浮腫75%、骨びらん78%を認めた。CSA 5名中1名が2ヶ月、UA 14名中7名が中央値1ヶ月後RAと診断された。画像所見でX線スコアは6ヶ月後中央値 0 、12ヶ月後 0.51 と推移した。唾液検体DNAによる口腔内マイクロバイオームの解析ではRA群は非RAと比較してVeillonellaceaeやBacteroidales、Prevotellaceaeのコピー数が低く、Proteobacteria、Pasteurellaceaeのコピー数が高く、既報と同様の結果であった。 本年度までの解析ではRA発症機序は明らかにできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は画像やRA発症などの臨床情報を更に追加し、また唾液検体DNAによるマイクロバイオーム解析を進めた。症例のデータ欠損がしばしば認められ、特にマイクロバイオーム解析は症例数が13と少ないなど人工知能を用いた解析に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度であるため人工知能を用いた解析まで完了する必要がある。研究代表者が推進している別の研究の集団を併せて用いることができればより広い範囲のRA発症前段階の評価が可能となる。施設をまたがるため複数の倫理委員会への申請を行う。
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