研究課題/領域番号 |
21K08470
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川崎 綾 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30532816)
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研究分担者 |
河野 肇 帝京大学, 医学部, 教授 (60585074)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / NCF1 / 疾患感受性遺伝子 / SNV / NOX2複合体 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、NCF1をはじめとする活性酸素の産生に関わるNOX2複合体を構成する遺伝子群の全身性エリテマトーデス(SLE)発症への寄与を包括的に調べる。シークエンス解析によりNOX2複合体構成遺伝子群のDNA配列情報を取得後、検出されたNOX2複合体遺伝子バリアントとSLEの関連を解析し、SLE発症と関連する疾患感受性バリアントを同定する。さらに、SLE感受性バリアントの機能解析を行い、NOX2複合体遺伝子バリアントがSLE発症を誘導する分子機構を明らかにする。
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研究実績の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)の疾患感受性遺伝子であるNCF1遺伝子には相同性が非常に高い偽遺伝子(NCF1B、NCF1C)が存在するため、NCF1遺伝子領域の解析は非常に困難となっている。SLE感受性バリアントとしてNCF1 Arg90Hisが同定されているが、NCF1遺伝子とSLEの関連はまだ十分解析されておらず、新たな疾患感受性バリアントが存在する可能性が考えられる。本研究では、①正確なNCF1遺伝子配列の決定を目的としたロングリードシークエンス解析、②SLE感受性NCF1バリアントの同定を目的としたショートリードシークエンス解析を行っている。①ではNCF1と偽遺伝子を共通のプライマーで増幅後にPacBio社Sequelシステムにてロングリードシークエンス解析を行った。遺伝子間の相同性が99%以上と非常に高いため、各遺伝子のリードを区別することが難しく現在も条件検討を継続している。②においてはNCF1特異的サイトにプライマーを設定し、NCF1遺伝子全長を2つのフラグメントに分けて増幅した。その後イルミナ社MiSeqにてシークエンス解析を実施した。得られたリードをヒトゲノムリファレンス配列 hg38にマッピングしバリアントの検出を行った。24検体の解析において100箇所以上のNCF1バリアントが検出された。予備検討においてMiSeq を用いたNCF1遺伝子解析が可能であることが確認できたので、次年度はSLEおよび健常者のサンプルを用いてシークエンス解析を実施し、SLE疾患感受性バリアントの同定を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MiSeq解析において、PCRにてNCF1遺伝子を増幅後に、酵素処理による断片化、ライブラリー調整を行ったが、ライブラリーサイズを目的とするフラグメント長に揃えることが難しく、断片化条件の検討、ライブラリー調整試薬の選択に時間を要した。そのため多数サンプルの解析、その後の関連解析まで至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きロングリードシークエンス解析にて、NCF1および偽遺伝子の配列決定とNCF1特異的部位の特定を試みる。さらにロングリード、ショートリードシークエンス解析により得られたバリアントデータを比較することにより、シークエンスデータの妥当性を評価する。ショートリードシークエンス解析においては、SLE 192例、健常対照者192例の解析を行い、検出されたNCF1バリアントについて関連解析を実施する。有意な関連が認められたバリアントについては、サンプル数を増やしてreplication studyを実施し関連の確認を行う。 NCF1とともにNOX2複合体を形成するNCF2, NCF4遺伝子のバリアントを対象に関連研究を実施し、NOX2複合体構成遺伝子とSLEの関連を包括的に解析する。
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