研究課題/領域番号 |
21K08481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
佐藤 慎二 東海大学, 医学部, 教授 (90276238)
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研究分担者 |
穂積 勝人 東海大学, 医学部, 教授 (30246079)
細野 祐司 東海大学, 医学部, 講師 (60868090)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 抗MDA5抗体 / 皮膚筋炎 / 間質性肺疾患 / 再発 / 急速進行性間質性肺疾患 / 縦隔気腫 / 予後不良因子 / 免疫学 / 無筋症性皮膚筋炎 / 急速進行性間質性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,抗MDA5抗体陽性のRP-ILD併発DMにおけるMDA5および抗MDA5抗体の病因的役割をあきらかにして有効な新規治療法を追究するために,T細胞,B細胞機能の両面から,主に臨床検体を用いたex vivo解析で検証を試みる.3年間の研究期間で,同病態におけるMDA5の関与を明確にして,病勢をコントロールする有効な治療法を明らかにする.
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研究実績の概要 |
【目的】抗melanoma differentiation-associated gene 5 (MDA5)抗体陽性の皮膚筋炎(DM)に併発した急速進行性間質性肺炎(RP-ILD)の寛解後の再発に関する検討. 【方法】2020年まで当科を受診したRP-ILD併発抗MDA5抗体陽性DM患者41例のうち,寛解を達成した28症例を対象にした.入院時の年齢, 性別, 入院時の酸素投与量, 血清クレアチニンキナーゼ(CK), KL-6, CRP, フェリチン, 抗MDA5抗体の抗体価, 胸部HRCT画像所見を寛解維持群,再発群に層別化して後ろ向きに比較検討した.経過中に何らかの臨床症状の悪化を認め,免疫抑制療法が強化された症例を再発例と定義した. 【結果】41例中,13例が治療に十分反応せず,急性期に呼吸不全により死亡した.治療が奏功し寛解を達成した28例のうち5例(18%)が維持療法中に再発した.再発例は,男性2名、女性3名,平均年齢50±11歳で4症例がCADMであった.再発時点で,2例で発熱を認めたが,呼吸困難を自覚したのは1例のみであった.血清CK,CRPおよびフェリチン値は正常範囲より上昇した症例は1例のみであったが,血清KL-6値は3例で正常範囲より上昇した.再発前後で測定可能であった3例全例の抗MDA5抗体力価はcut-off以上に再上昇を認めたが,寛解維持群では抗体価の再上昇は認めなかった(60% vs. 0%,P=0.003).再発群の全5例でコルチコステロイドの増量,4例でシクロスポリンAの増量/追加,シクロフォスファミドの追加およびJAK阻害薬が開始されて,全例で呼吸器症状などの臨床症状の改善を認めた. 【結論】抗MDA5抗体陽性DMに併発するILDの再発は稀とされているが,再発例も存在し,その再発予測には抗MDA5抗体力価の推移が有用であることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予定していた経気管支肺生検あるいは肺生検組織から凍結切片標本を作成し,免疫組織染色の手法を用いてMDA5,免疫グロブリン,補体(C3, C4)および免疫複 合体の発現を検討することならびに臨床経過との関連の検討は,肺・皮膚組織の収集が達成できなかったために,解析に至らなかった.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,次年度も鋭意,検体収集を努める予定である.近隣の施設に連絡をとり,臨床症状より,同疾患が疑わしい症例を紹介していただき,積極的に受け入れるよう努力する.
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