研究課題/領域番号 |
21K08487
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
真崎 雄一 北海道大学, 医学研究院, 講師 (60311304)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 好中球 / ミトコンドリア / MFN2 / LRRK2 |
研究開始時の研究の概要 |
好中球は、感染初期に働く重要な免疫細胞の一つである。好中球は、通常、活性酸素種の産生を抑えるために、解糖系を用いてATPを産生している。しかし、体内に病原体が侵入すると、ミトコンドリアを使ってATPを産生するようになる。申請者は、この過程に、ミトコンドリア融合関連タンパク質MFN2が関わっていることをこれまでに報告している。本研究では、さらに発展させ、感染に伴って起こる好中球のエネルギー産生の場の変更機構を明らかにすることを目的とする。本研究によって得られた知見は、先天性の易感染患者にみられる病因遺伝子の発見、好中球の過剰な活性化による細胞傷害の抑制の研究にも貢献できるうると考えられる。
|
研究成果の概要 |
好中球は、免疫細胞の一つであり、その主な役割は、体内へ侵入してきた病原体を排除することである。好中球は、通常、生体にダメージを与える活性酸素種の産生のない解糖系を使ってエネルギーであるATPを産生している。しかし、体内に病原体が侵入してくると、大量のエネルギーを必要とするため、活性酸素種の産生を伴うミトコンドリアも使ってATPを産生するようになる。今回、我々は、この過程にLRRK2というミトコンドリア関連タンパク質が重要な役割を果たしており、LRRK2を発現していない好中球や培養細胞を分化させた好中球様細胞では、ミトコンドリアの機能が低下し、病原体へ向かう能力も低下することを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
好中球は、体内へ侵入してきた病原体を体内から取り除くという重要な役割を持っている。しかし、過剰に働けば、我々の体にダメージを与え、死をもたらすことも免疫細胞である。この過剰な働きを抑える薬としては、現在、副腎皮質ステロイド薬が最も使用されているが、副腎皮質ステロイド薬は、副作用も多い薬である。今回の研究によって、好中球の活性化にLRRK2が重要な役割を果たしていることが明らかになった。この研究を足掛かりに、好中球に特異的に効く副作用の少ない薬が開発されることが期待される。
|