研究課題/領域番号 |
21K08492
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松本 哲 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (90363233)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | Menin / ワクチン / Tfh / 肺炎球菌 / ワクチン有効率改善 / T細胞老化 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究は、T細胞早期老化モデル(T細胞特異的腫瘍抑制因子Menin 欠損)マウスを用いて、T細胞老化に伴って低下するワクチン有効率を改善する方法論を確立するものである。 最初に、Menin 欠損マウスの抗原特異的抗体産生能低下の分子メカニズムを解明する。次いで、in vitro でT細胞早期老化を抑制した低分子化合物Xを用いて、抗体産生能の改善が見られるか検討する。抗体産生能の改善が認められた場合は、肺炎球菌ワクチン(PCV13)を用いて、肺炎球菌感染に対する感染抵抗性の亢進が低分子化合物Xによって認められるか検討する。
|
研究実績の概要 |
加齢に伴う免疫機能の低下は、「免疫老化」とよばれる免疫系細胞の老化が原因であり、抗原特異的な獲得免疫応答の減弱による発がん、感染症の増加、慢性炎症応答の増加が報告されている。そこで免疫系細胞の老化誘導機構を解析し、その制御方法を明らかにすることは生活の質の向上につながると推測される。 T細胞において腫瘍抑制因子Meninを欠損させたマウスを解析したところ、抗原特異的に反応したT細胞が早期に老化様形質を示し、抗がん作用の低下、感染抵抗性の減弱、細胞老化随伴分泌現象(炎症)の増加が見られたことから、我々はMeninがT細胞老化を抑制しておりT細胞特異的Menin欠損マウスをT細胞早期老化モデルマウスとして用いることができると報告した。またT細胞特異的Menin欠損マウスに抗原を接種すると、抗原特異的な抗体産生量の低下が認められたこと、in vitroにおいて低分子化合物がMenin欠損T細胞の早期老化様形質を抑制したことから、T細胞早期老化モデルマウスのT細胞老化を調節することでワクチン有効率が向上するか検討した。 T細胞早期老化モデルマウスでは、抗原特異的な抗体のクラススイッチは認められるものの、抗原特異的な抗体産生量が低下していた。抗体産生を誘導する濾胞型ヘルパーT(Tfh)細胞への分化を細胞表面マーカーで解析したところ、Tfh細胞への分化が確認された。しかしながら、Tfh細胞を単離して解析した結果、Meninを欠損したTfh細胞の抗体産生を促進するための複数のサイトカイン遺伝子の発現が減少していた。低分子化合物をマウスに投与し、抗原特異的な抗体の産生量を検討したが、抗体産生量の有意な上昇は認められなかった。
|