研究課題/領域番号 |
21K08514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松井 秀仁 北里大学, 感染制御科学府, 講師 (80503797)
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研究分担者 |
内山 淳平 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (20574619)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | C. difficile / 毒素 / 芽胞 / Binary toxin / 天然化合物 / Clostridioides difficile / CDI / 再発性 / 嫌気性菌 |
研究開始時の研究の概要 |
Clostridioides difficileは、芽胞形成能を有する偏性嫌気性菌であり、抗菌薬関連下痢症や腸炎を引き起こす。本菌による感染症は、その再発率の高さや薬剤耐性化の懸念から、新たな治療薬の開発が望まれている。そこで本研究では、C. difficile感染症の発症及び再発機構に着目したスクリーニング系を構築し、微生物由来の天然化合物ライブラリーからの活性物質探索を実施する。ヒット化合物については、マウスを用いたC. difficile腸管感染モデルによる高次評価を行うことで、新たな創薬シード化合物の創製を目指す。
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研究実績の概要 |
Clostridioides difficileは、芽胞形成性を有する嫌気性グラム陽性桿菌である。本菌は、抗菌薬関連下痢症の原因菌として、強毒株の流行から世界的に問題となっている。本研究では、C. difficile感染症で問題となる再発例の抑制につなげることができるような新たな作用を有した天然化合物の探索を目的としている。今年度は、Binary toxinを構成するCDTbの組み換えタンパクを精製し、免疫したラットの抗血清より抗CDTbポリクローナル抗体を得ることが出来た。本抗体をビオチン標識化して構築したsandwich-ELISA系を用いることで、C. difficile培養上清中のCDTbを定量可能であることを確認した。次に、Binary toxin産生C. difficileを用いて、抗菌活性と芽胞形成阻害活性、毒素産生阻害活性を評価可能なスクリーニング系を構築した。毒素産生量については、これまでに構築したCDTaとCDTb、Toxin BのELISA系を用いて変動を定量的に評価した。本スクリーニング系を用いて、天然化合物ライブラリーより活性化合物の1次スクリーニングを行った結果、抗菌活性を有する化合物、芽胞形成阻害活性を有する化合物、毒素産生阻害活性を有する化合物を、それぞれ142、35、7化合物見出すことが出来た。さらに高活性の化合物の絞り込みを進めるとともに、詳細な阻害活性について解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、昨年度定量系を構築したBinary toxinのCDTaに続き、構成タンパクであるCDTbの定量系の構築を行った。大腸菌を用いた発現系ではタンパクの不溶化が認められた為、Brevibacillusを用いた分泌タンパク発現系を用いて調製を行った。可溶性画分に目的タンパクを発現することに成功し、ラットに免疫することでポリクローナル抗体の作製を行った。得られた抗CDTbポリクローナル抗体は、western blotの解析からも、培養上清中CDTbに特異的に反応することが確認された。また、構築したsandwich-ELISA系は、検出範囲が0.3~300ng/mLであり、培養上清中CDTbの定量には十分の感度を有していた。次に、Binary toxin産生C. difficileを用いて、天然化合物ライブラリーの726の化合物について評価を実施した。1次スクリーニングの結果、142化合物はC. difficileに抗菌活性を示した。さらに、芽胞形成阻害活性は35化合物で認められ、Toxin BやBinary toxin産生に対する阻害活性は7化合物で確認された。現在、2次スクリーニングを低濃度で実施し、化合物の選抜を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、天然化合物ライブラリーより、1次スクリーニングで各種阻害活性を見出した化合物について、さらなる低濃度での活性評価を実施して選抜を進めていく。抗菌活性を示した化合物については、他菌種に対する抗菌スペクトルや、C. difficileへの殺菌性や耐性菌出現頻度など評価を進めていく。また、高い芽胞形成阻害活性を示した化合物などについては、作用機構の解明に向けて、芽胞形成に関与する遺伝子の発現変動を解析する。また、バンコマイシンなどの既存抗菌薬との併用により、残存する芽胞数の変動を解析、再発抑制につながるか検討を進めていく。In vitro試験で優れた活性が確認された化合物については、マウス感染モデルを用いて有効性を評価していく。
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