配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
研究実績の概要 |
若年発症、非肥満、家系集積といった特徴を持ち、単一遺伝子異常による糖尿病が疑われる例はしばしばみられるが、既知遺伝子で説明できる例は一部に過ぎない。そこで、単一遺伝子異常による糖尿病の新規発症原因遺伝子同定を目的とし、解析を行うこととした。 この目的のため、35歳未満での若年診断糖尿病患者で、膵島関連自己抗体が陰性である者およびその血縁者を解析対象とし、全血由来のDNAを用い、まず単一遺伝子異常による糖尿病の原因となる既知11遺伝子(HNF4A, GCK, HNF1A, PDX1, HNF1B, NEUROD1, INS, ABCC8, KCNJ11, WFS1, INSR 遺伝子)につきターゲットシーケンスを行った。そして、既知遺伝子に変異を見出すことができなかった例については、ゲノムDNAにつき次世代シーケンスを用いた網羅的解析を行った。 2024年3月までに、研究代表者らは246例の若年診断糖尿病患者につき、既知糖尿病原因遺伝子のシーケンスを行った。結果、58例について、既知遺伝子に、糖尿病の原因となる病原性変異を見出したが、残り188例については病原性変異を見出すことはできなかった。そこで、188例のうち特に若年診断であった例(主に小児期診断例)や、特徴的な併存症を有していた例を中心とし、79例について全ゲノムシーケンス解析を行った。結果、1例については、HNF4A遺伝子においてヘテロ接合の大欠失が明らかとなり、HNF4A-MODYと判断したほか、別の1例につき、単一遺伝子異常による糖尿病の原因遺伝子であるRFX6遺伝子の新規フレームシフト変異を見出した。単一遺伝子異常による糖尿病の遺伝的背景をより詳細に探究することができたと考える。
|