研究課題/領域番号 |
21K08542
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
満島 勝 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 分子代謝制御研究部上級研究員 (40621107)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フルクトース代謝 / AldolaseB / グルコース代謝 / HFI / メタボリックシンドローム / フルクトース不耐症 / 低血糖 / 肝糖新生 / グルコース / フルクトース / 糖代謝 / AldolaseA/B |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者らが見出したGCN5-CITED2-PKAモジュールにより制御される広範な代謝制御分子の中より、フルクトース代謝に必須な酵素であるAldolase Bに着目した。近年フルクトースの過剰摂取とメタボリックシンドローム発症の相関が提起されており、グルコース/フルクトース代謝の連関制御の実体解明が期待されている。本研究では、Aldolase Bノックアウトマウスおよびその初代培養肝細胞を用いて、フルクトース代謝不全によるグルコース/フルクトース代謝のデカップリングが引き起こす疾患の分子機序の解明とメタボリックシンドローム発症への寄与を明らかにすることを目指すものである。
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研究成果の概要 |
作製した全身性AldoBKOマウスは、フルクトース投与により重度の低血糖を呈し、HFIモデルマウスであることを確認した。本効果には酵素活性が必要であり、メタボローム解析では、KOマウスの肝臓においてF1Pの劇的な増加と様々な中間代謝産物の変化を確認した。AldoBKOマウスは耐糖能、インスリン感受性が改善し、糖新生の抑制が見られた。AldoBKOの初代培養肝細胞ではフルクトースの添加により細胞内ATPの減少とAMPKの活性化がみられたが、AMPK阻害では糖新生は回復しなかった。KOマウスの肝細胞に蓄積したF1Pが、AldoAおよびFBPase1に結合しその活性を阻害することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において希少遺伝子疾患であるフルクトース不耐症の解析マウスモデルを確立し、その分子機構がアルドラーゼの酵素活性に依存していること、更にはその際肝細胞内で蓄積するフルクトース1リン酸が本疾患の原因であり、細胞内においてATPの枯渇をもたらすとともに、重要な解糖系、糖新生系酵素であるAldolaseA、FBPaseと結合しその活性を阻害することを明らかにした。AldolaseBは肥満と共に発現が亢進する一方、発現低下がHCCの促進につながることなどが報告されており、それらの疾患の研究においても有益な知見を与える。
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