研究課題
基盤研究(C)
申請者は、これまで視床下部-下垂体系の疾患について一貫して研究を行い、新規自己免疫性下垂体疾患として「抗PIT-1下垂体炎」を報告してきた。本研究は、これまで申請者が明らかにしてきた研究結果を基盤として、患者由来iPS細胞からin vitro疾患モデルを樹立する。この疾患モデルを用いた解析を行う事で、病態が明らかではない自己免疫性下垂体疾患の発症メカニズムが解明され、新規診断法および新規治療法の開発へと発展することが期待される。
本研究では、自己免疫性下垂体疾患患者の末梢血から特異的CTLのクローニングに成功し、特異的なTCR、抗原、およびHLAを決定した。特異的CTLを患者iPS細胞由来の下垂体と共培養することで、抗PIT-1下垂体炎の病態再現に成功した。この疾患特異的in vitro再構成モデルは、ヒトの自己免疫性疾患のモデルとして世界初の成果である。このモデルは、既存の研究では困難だった未踏領域を探索でき、これまで存在しなかったヒト細胞モデルを用いた病態解明を可能にした。さらに、この疾患モデルを使用することで、新しい分子経路を同定し、薬物治療による細胞傷害抑制のスクリーニングシステムを構築することにも成功した。
本研究で用いた手法を用いることで、他の自己免疫性下垂体疾患や細胞性免疫関連自己免疫疾患の解析にも広く応用できる。これにより、詳細な発症メカニズムの解明や新薬の開発に貢献する可能性がある。さらに、本研究で確立した疾患モデルは重要であり、申請者が発見した自己免疫性下垂体疾患(抗PIT-1下垂体炎)は、自己免疫疾患としてだけでなく腫瘍随伴症候群としての側面も持つため、両疾患の発症メカニズムの解析に非常に有用である。今後、安全で効果的な自己免疫疾患および癌の治療法の開発に繋がることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 1件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
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