研究課題/領域番号 |
21K08558
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
二里 哲朗 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (10782550)
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研究分担者 |
阿比留 教生 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00380981)
赤澤 諭 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (50549409)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | NODマウス / 1型糖尿病 / 膵島自己免疫 / 1型糖尿病 / IRF4 / 膵島自己抗原 / 自己免疫疾患 / T細胞代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
1型糖尿病は自然発症モデルマウスを用いて発症機序解明の研究が進められてきたが、ヒトへの有効性が認められたものはない。我々は、免疫担当細胞の増殖・分化を制御する転写因子“IRF4”に注目し、膵島抗原特異的CD4+T細胞上のIRF4発現量が用量依存的に糖尿病進展を制御することを見出したが、詳細な機序は不明である。近年、IRF4はT細胞の代謝制御に重要であると報告されている。そこで、我々は膵島浸潤CD4+T細胞のIRF4発現量変化が、T細胞代謝制御を変化させ、膵島β細胞破壊から糖尿病に至るという仮説をたてた。仮説が証明されれば、T細胞代謝関連分子を標的にした、新たな創薬開発につながる可能性がある。
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研究成果の概要 |
IRF4遺伝子欠損BDC2.5Tg NODマウスより採取したCD4+ T細胞の養子移入実験において、養子移入されたレシピエントの膵島浸潤細胞を解析し、IRF4の用量依存性によるT細胞の増殖及び、Th1/Th17両陽性細胞への分化を促進するという新たな知見を得た。さらに、in vitroでは、強刺激抗原と抗原提示細胞を加えて刺激した結果、IRF4欠損群において、わずかにT細胞分裂能の低下を認めたものの、生体内で認めたIRF4用量依存性の極端な細胞増殖やT細胞分化は認めなかった。一方で、TCR刺激条件下において、IRF4欠損CD4+ T細胞は、好気的解糖系能が低下することがわかった 。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗原特異的BDC2.5 CD4+ T細胞におけるIRF4発現用量依存性の糖尿病進展形成の要因として、活性化T細胞の機能変化と、解糖系優位の代謝変化の関連性が示唆された。IRF4発現調整そのものを目的とした治療は、広範な免疫不全などの副作用が危惧される。しかし、今回我々が示したT細胞代謝活性化の抑制など、IRF4関連の免疫細胞を標的とした1型糖尿病治療開発や、T細胞マーカーとしてのIRF4発現モニタリングによる機能的T細胞診断など、今後の臨床応用への展望が期待される。
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