研究課題/領域番号 |
21K08563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
井樋 慶一 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (60232427)
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研究分担者 |
松井 広 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20435530)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | マウス / ストレス / 脳 / 神経路 / ウイルスベクター / コルチコトロピン / ウロコルチン / 神経投射 |
研究開始時の研究の概要 |
視床下部室傍核(PVH)に存在するコルチコトロピン放出因子(CRF)産生ニューロンは正中隆起のみならず様々な脳内領域に直接投射している.脳内CRFニューロンがストレス防御に果たす役割を明らかにするためには,これらの一次投射領域より下流の神経路を明らかにし,最終出力に至る脳内回路を同定することが必要である.本研究は,我々が開発したCRF受容体1-Creノックインマウス(CRFR1-Cre)およびCRF受容体2-Creノックインマウスを用いてこの目的を達成することを目的とする.研究成果はストレス関連疾患の治療・予防法の開発に貢献する.
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研究実績の概要 |
我々は最近,CRF受容体1 (CRFR1) 遺伝子,または,CRF受容体2(CRFR2)遺伝子にCreリコンビナーゼをノックインしたマウス(CRFR1-CreおよびCRFR2-Cre)を作製した.これらのドライバーマウスとGFPレポーターマウスを交配して作製したCRFR1発現ニューロン選択的GFP発現マウス,および,CRFR2発現ニューロン選択的GFP発現マウスを用いて,マウス脳内におけるCRFR1およびCRFR2発現ニューロンの分布を検討した.この実験は前年度に既に行ったものであるが,一部実験結果に不確かな部分があったので再実験を行なった.CRFR1およびCRFR2発現ニューロンの脳内分布はこれまでにin situ hybridization法を用いて検討された結果にほぼ一致した.次に,CRFR1発現ニューロンおよびCRFR2発現ニューロンの投射先を明らかにするために,Cre依存的GFP発現ウイルスベクターを局所注入し,これらのニューロンを順行性に追跡した.まず初めに視床下部室傍核(PVH)に存在するCRFニューロンの部位にウイルスベクターを注入したところ,これらのニューロンは,孤束核,青斑核,視床室傍核,外側視床下部など広範な脳内に投射することが明らかにされた.孤束核にはCRFR2発現ニューロンが認められたので,現在これらのニューロンの投射神経路を追跡中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は,前年度に既に行った実験結果の一部に不確かな部分があったため,再実験を行なった.すなわち,CRFR1-CreおよびCRFR2-CreドライバーマウスとGFPレポーターマウスを交配して作製したCRFR1発現ニューロン選択的GFP発現マウス,および,CRFR2発現ニューロン選択的GFP発現マウスを用いて,マウス脳内におけるCRFR1およびCRFR2発現ニューロンの分布を再度検討しなおした.その結果,CRFR1およびCRFR2発現ニューロンの脳内分布はこれまでにin situ hybridization法を用いて検討された結果にほぼ一致した.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,まず,現在進行中の延髄孤束核(NTS)におけるCRFR2発現ニューロンの順行性追跡実験を火完成させ,NTSからCRFR2発現ニューロンがいずれの脳内領域に投射するかを明らかにする.次に,Cre依存的チャネルロドプシン2(ChR2),または,Cre依存的抑制型チャネルロドプシン2(ACR2)発現ウイルスベクターをNTSに注入し,これらのマウスに光ファイバーを植え込み,青色光照射によりNTSにおけるCRFR2発現ニューロンを選択的に刺激,または,抑制する.光照射マウスの摂食量を対照マウスと比較し,NTSにおけるCRFR2発現ニューロンが摂食調節に及ぼす役割を検討する.これと並行して,青斑核(LC)におけるCRFR1発現ニューロンの投射先を追跡し,さらに,NTSと同様の手法をもちいて,光遺伝学的実験により,LCにおけるCRFR1発現ニューロンの不安様行動における役割を検討する.これらの成果をまとめ,国際誌に投稿する.
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