研究課題/領域番号 |
21K08566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山崎 修 帝京大学, 医学部, 准教授 (80757229)
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研究分担者 |
柴田 茂 帝京大学, 医学部, 教授 (60508068)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 生理学 / 高血圧 / ナトリウム輸送 / 尿細管 / 糖尿病 / 腎尿細管ナトリウム輸送体 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病は3人に1人が罹患する国民病であり、高血圧と相互に影響しなが ら臓器障害を進展させることが知られている。その進展形式として、糖尿病が腎臓に悪影響を及ぼすことが知られている。 そのメカニズムとして、腎臓は体内に必要なナトリウム(Na)のバランスを調整することで知られており、ナトリウムの不適切な排泄障害は重篤な高血圧を引き起こし、ひいては腎障害に進展すると考えられる。 本研究は、腎臓の尿細管に発現する主要なNa輸送体群の相互作用を発現量・機能活性法の両面から解析し、さらに臨床検体由来の尿のエキソソーム解析を加えることで、糖尿病合併高血圧という生活習慣病のメカニズムを解明するものである。
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研究成果の概要 |
腎臓のナトリウム輸送を介した高血圧・糖尿病といった生活習慣病のメカニズムの解析の一環として、腎近位尿細管におけるナトリウム重炭酸共輸送体(NBCe1)の意義について検索を行った。 その結果、NBCe1のR881S変異体は蛋白発現量が著しく低下する変異体のみならず、翻訳後修飾である糖鎖修飾を起こさない変異体であること、更にはドミナントネガティブ作用が欠失していることが確認された。更には、機能解析法で野生型に比して日活性型であることが確認された。 このメカニズムの解明により、NBCe1に焦点を当てた腎臓のナトリウム輸送の理解と、治療応用への端緒が築かれた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎臓のナトリウム輸送の破綻は高血圧や高血圧に伴う臓器障害(脳卒中・心筋梗塞)といった重篤な疾患を引き起こすため、制圧が喫緊の課題である。 腎臓の不適切なナトリウム再吸収を行う主要な輸送体であるNBCe1の機能部位を特定し、同部位に作用する薬剤を創薬することによって、高血圧に関わる疾病の制圧に寄与することができると考える。 またNBCe1は腎臓以外にも多様な臓器に発現し、機能低下変異体の患者は片頭痛・成長障害・角膜変性などの多彩な症状を呈する。原因につながる普遍的な機能部位R881Sを同定することで、腎臓にとどまらない各疾病の解明にもつながると考える。
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