研究課題/領域番号 |
21K08569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
石井 角保 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60638112)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | HDAC3 / 甲状腺ホルモン / 甲状腺 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒストン脱アセチル化酵素3(HDAC3)は、甲状腺ホルモン欠乏培養細胞において、甲状腺ホルモン受容体(TR)を介して標的遺伝子の転写を抑制するが、甲状腺ホルモン欠乏状態の生体内での役割やゲノム三次元区画化への関与は不明である。本研究では、小脳をモデルとして甲状腺機能低下症生体内におけるHDAC3の役割を解明する。また、TR-HDAC3によるゲノム三次元区画化制御を、細胞を破壊せずに研究する方法を開発する。
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研究実績の概要 |
ヒストン脱アセチル化酵素3(HDAC3)および甲状腺ホルモン受容体(TR)は、甲状腺ホルモン欠乏培養細胞において標的遺伝子のヒストンを脱アセチル化して転写を抑制するが、生体内での詳細な役割やゲノム三次元区画化への関与は不明である。本研究では、マウス小脳発達をモデルとして、甲状腺機能低下症の生体内におけるHDAC3の役割を解明することを目的とする。さらに、細胞形態を保ったままゲノム区画化を解析する方法を開発して、TR-HDAC3によるゲノム区画化制御を研究することも目的とする。本研究により、甲状腺機能低下症におけるHDAC3の役割が生体内で解明され、発達期を過ぎた小脳障害などホルモン補充無効例に対する治療への応用が期待されるとともに、細胞形態を保った新手法でTR-HDAC3によるゲノム区画化制御を明らかにできると考えられる。 本年度は、マウス小脳発達をモデルとして、甲状腺機能低下症の生体内におけるHDAC3の役割の解明を行った。抗甲状腺薬プロピルチオウラシル投与による甲状腺機能低下症マウスにおいてHDAC3を阻害し、運動協調障害を調べる行動解析や小脳の組織学的検討を行った。さらに、HDAC3による遺伝子のヒストン脱アセチル化を生体内で解析した。以上の検討の結果から、本研究の前半部分に相当する、甲状腺機能低下症の生体内におけるHDAC3の役割の解明を完了し、International Journal of Molecular Sciences誌に発表を行った。引き続き、後半部分に相当する、培養細胞を用いたゲノム三次元区画化の検討を行なっている。また、当該研究内容に関連した内容の総説や論文を発表し、本研究推進の礎とした。ドミナントネガティブ作用を持つ変異TRトランスジェニックマウス小脳の解析では、電気生理学的検討を行い、論文はPNAS誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、マウス小脳発達をモデルとして、甲状腺機能低下症の生体内におけるHDAC3の役割を解明する。さらに、細胞形態を保ってゲノム三次元区画化を解析する方法を新たに開発し、TR-HDAC3によるゲノム区画化制御を検討する。本年度は、甲状腺機能低下症の小脳発達障害におけるHDAC3の役割解明を終了し、ゲノム三次元区画化の検討を開始する計画であった。 これまでに、マウスを用いた行動解析と組織学的検討、代表的な転写調節標的遺伝子の同定を行い、甲状腺機能低下症におけるHDAC3の役割を生体内で解明した。研究結果は論文にまとめて投稿を行い、International Journal of Molecular Sciences誌に掲載され、一定の成果を得られた。また、当該研究内容に関連して、ドミナントネガティブ作用を持つ変異TRトランスジェニックマウスの小脳を用いて電気生理学的検討を行い、論文はPNAS誌に掲載された。さらに、後半の培養細胞を用いて行う研究について、市販の培養細胞に適当なものがないためTR恒常発現細胞の樹立を試みたが、TRの発現は認められるものの遺伝子転写調節は働かなかった。そこで、新規に細胞を樹立するためマウスの購入手続きを進めていたが、倫理審査に予想以上に時間がかかってしまったことと、研究代表者が新年度より教授として他施設に転出することになったため、マウスの納品が転出に間に合わなくなってしまったことにより、やむを得ずマウスの購入を一時延期とした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、マウス小脳発達をモデルとして、甲状腺機能低下症の生体内におけるHDAC3の役割を解明する。さらに、細胞形態を保ってゲノム三次元区画化を解析する方法を新たに開発し、TR-HDAC3によるゲノム区画化制御を検討する。 前半部分については論文が掲載となり、目標に到達した。後半部分のゲノム三次元区画化解析について、納品が研究代表者の他施設転出に間に合わず令和4年度に購入できなかったマウスを購入して培養細胞の樹立を行なう。ゲノム編集による標的遺伝子可視化を応用したゲノム三次元区画化解析は新規の試みとなるが、ゲノム編集の手技自体は既に樹立しており、細胞系が樹立され次第着手する。新規解析法が働かない場合は、HP-1や核膜タンパクに対するChIPを用いて解析を行う。
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