研究課題/領域番号 |
21K08571
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐伯 久美子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (80322717)
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研究分担者 |
西尾 美和子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30623318)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | BATokine / skeletal muscle cells / glucose uptake / HPLC / human ES cells / GLUT4 / Pluripotent stem cells |
研究開始時の研究の概要 |
褐色脂肪組織は高い熱産生能能を持つ脂肪組織である。小型哺乳類では寒冷環境での体温維持に寄与するが、ヒトでは可溶性因子(BATokine)を介した代謝向上が主たる作用である。加齢で減少するため中年太りやサルコペニア等の研究分野で注目されている。ヒト検体入手が困難であり研究が遅れていたが、申請者はヒト多能性幹細胞の褐色脂肪細胞分化誘導技術を開発して問題を克服した。これまでにヒト多能性幹細胞由来褐色脂肪細胞の培養上清から複数のBATokineを見出してきたが、本研究では骨格筋のブドウ糖取込みを促進する因子を同定する。本研究はサルコペニアの予防・治療に新しい手段を提供することが期待される。
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研究実績の概要 |
褐色脂肪組織(BAT)は高い熱産生能能を持つ脂肪組織である。小型哺乳類では寒冷環境での体温維持に寄与するが、ヒトでは可溶性因子(BATokine)を介した代謝向上が主たる作用である。加齢で減少するため、中年太りやサルコペニアなどの加齢が関係した代謝障害の病態生理を考えるうえでBAT研究は欠かせない。 本研究では、褐色脂肪細胞が分泌する生理活性因子BATokineの1つとして、先行研究でヒト多能性幹細胞由来褐色脂肪細胞の培養上清中にその存在を見出している「糖代謝改善因子である骨格筋ブドウ糖取込み促進因子」の同定に取り組んでいる。 具体的には、京都大学で樹立されたヒトES細胞、および研究代表者が樹立したヒトiPS細胞を用いて、研究代表者が開発した技術(特許5998405)で作製したヒト多能性幹細胞由来褐色脂肪細胞(ヒトBA)を材料として、研究代表者が開発した技術(WO2020036184A1)を駆使して同因子の構造を同定する。当該因子の活性は、マウスC2C12細胞由来骨格筋細胞およびヒト骨格筋細胞(市販の骨格筋芽細胞より分化誘導)の両者を用いて、Glucose Uptake Assay Kit-Green (同仁化学研究所)およびGlucose Uptake-Glo Assay (プロメガ社)を活用して定量的に評価する。 2022年度の研究では、大量調整したヒトBAの培養上清(BA-SUP)を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)で細分化し、質量分析機を用いた構造解析に充分量の活性成分を得る作業を鋭意進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
担当学生が実験に参加できない状況があったため、BA-SUPの大量調製に遅れが生じた。2023年度からは状況が改善している。
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今後の研究の推進方策 |
従来の研究計画通り、少量BA-SUPで検討した条件を参考に、BA-SUPの大量調製から種々のカラムを用いたHPLCにより目的因子を濃縮し、質量分析機での構造解析に十分な質と量の活性画分を得たうえで、研究期間中(令和4年度末)に全アミノ酸配列(含、修飾)を決定する。
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