研究課題/領域番号 |
21K08576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河盛 段 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (50622362)
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研究分担者 |
片上 直人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10403049)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 糖尿病 / グルカゴン / 膵α細胞 / DPP-4 / GLP-1 / インクレチン |
研究開始時の研究の概要 |
全身に広く発現するペプチド分解酵素DPP-4 (DiPeptidyl Peptidase-4)は、特に糖代謝領域においてはGLP-1及びGIPというインクレチンの分解酵素として重要な病態的意義を有し、現在はDPP-4阻害薬が糖尿病治療に広く使用されている。しかしDPP-4の膵島内における意義は、これまで散見される研究報告からは未だ明らかな結論に至っていない。本研究はα細胞機能変化をDPP-4発現に着目して進め、現在定まっていないα細胞DPP-4の意義を明らかとするほか、これを標的とした新規グルカゴン・α細胞標的治療の開発につなげるものである。
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研究成果の概要 |
本課題では将来の新規糖尿病治療法開発を目標に、また病態の一層深い理解のため、これまで研究されていなかった膵α細胞の機能変化に着目した解析を行った。まず、グルカゴン分泌細胞株においてインクレチン分解酵素であるDPP-4の発現が、糖尿病下の高血糖を模倣した持続する高グルコース濃度といった周囲環境に応じてグルカゴン分泌と同様に変化することを見出した。さらにヒト由来iPS細胞から膵島内分泌様細胞を分化誘導したところ、膵α様細胞におけるDPP-4発現は分化段階により大きく変化していた。これら研究成果により、α細胞機能や膵島発生・細胞分化におけるDPP-4の重要性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大きな社会健康問題である糖尿病では、多彩な病態や合併症・併存症を有し、その病態の多様性から最適な治療法選択に難渋することも少なくない。本研究成果は糖尿病におけるα細胞機能変容やグルカゴン分泌異常の機序解明の糸口となり、インスリン偏重の糖尿病および代謝疾患の治療現状において、未来のα細胞・グルカゴン標的療法開発の学術的基盤となりうるものである。糖尿病学における学術的意義のみならず、将来の治療法開発に向けた基盤としての社会的意義を有するものと考えられる。
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