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細胞診における迅速で簡便な蛍光プローブ法による甲状腺癌検出法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K08586
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分54040:代謝および内分泌学関連
研究機関大東文化大学

研究代表者

日野 るみ  大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (60451770)

研究分担者 大城 聰  大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30160485)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード甲状腺 / 癌 / 検出法 / 蛍光プローブ / 細胞診 / 癌特異性 / 細胞株
研究開始時の研究の概要

本研究は、先行する研究で甲状腺乳頭癌特異的蛍光プローブを見出し、実際にヒト甲状腺乳頭癌で癌検出において有効性を見出した研究に続く研究である。先行研究で見出した蛍光プローブは、乳頭癌と正常甲状腺を区別できるのみならず、腺腫様甲状腺腫や慢性甲状腺炎などの非腫瘍性疾患とも区別可能である。本研究では、先行研究をさらに大規模な研究に発展させると共に、未検討の細胞診への応用が必要であると判断した。細胞診検査は低侵襲性で、病院や検査センターでは非常に検体数が多い。蛍光プローブ法の判定は容易で、修練が必要な細胞検査士でなくても判定可能であり、検体を採取後すぐに、簡便、迅速に診断が得られ、検査学的意義は高い。

研究実績の概要

<目的> 癌特異的に蛍光性を有す蛍光プローブ法は癌特異的かつ短時間で検出できる方法である。パイロットスタディで甲状腺乳頭癌特異的に光る蛍光プロー
ブを見出している(Hino R et al. Thyroid research, 2018)。そのプローブを用いた蛍光プローブ法を臨床的実用化にあたり(1)乳頭癌特異性をより確実にす
る為に多数の手術検体で検討する事、(2)細胞診検体へ応用していく必要があると考えた。今回は特に蛍光プローブ法の癌特異性について検討していく。<対象と方法> 甲状腺乳頭癌に対する蛍光プローブ法について、多数の甲状腺腫瘍あるいは非腫瘍性疾患を用いた検討を追加する。臨床検体については、福甲会やました甲状腺病院に協力いただき、倫理申請が済み、実際に複数の検体について提供して頂いている。検体は蛍光プローブ用の生検体とパラフィンブロック検体である。それらの検体の中には濾胞癌も含まれており、乳頭癌以外に濾胞癌特異的な蛍光プローブも見出す予定である。
<現時点での進行状況> 今回やました甲状腺病院から送っていただいた検体は濾胞性腫瘍及び非腫瘍性疾患である。それらの検体について、まずは癌特異
的なプローブを用いて癌特異性の検討を行った。同時にパラフィンブロックを薄切しHE染色で組織型を確認した。細胞株を用いて蛍光プローブの癌特異性について検討している。
<結果と考察> これまでの結果から乳頭癌特異的蛍光プローブが濾胞癌にも特異的である可能性もあるが、濾胞癌に特異的な新規の蛍光プローブを見出す必要性も見えてきた。現在症例数を増やし検討中であるが、濾胞癌の診断は組織診断以上に細胞診で極めて困難であるので、濾胞癌特異的蛍光プローブを見出せば、臨床検査学的意義は高い。また、同時に蛍光プローブの癌特異性について細胞株を用いた実験で興味深い結果を得ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

甲状腺乳頭癌に特異的な蛍光プローブは比較的早く見出すことが出来、査読付き英文論文で発表する事ができたが、甲状腺濾胞癌については、濾胞癌特異的な蛍光プローブ選定の段階で困難を呈している。濾胞癌は濾胞腺腫との鑑別が臨床的にも病理学的にも困難な事が多く、この点がまず問題で、施設間で病理診断がずれている可能性もあり、間接的に濾胞癌特異的蛍光プローブの選定を困難にしている。そこで、確実に転移をきたしている症例だけを集めて行う事も考えたが、そうすると症例がなかなか集まらないという問題に直面している。いづれにしても工夫が必要である。

今後の研究の推進方策

甲状腺乳頭癌は甲状腺全体の約9割を占めており、比較的症例が集まりやすいが、一方で濾胞癌は約5%とかなり頻度が低い為、症例を集めることに時間がかかっている。確実に濾胞癌という方法は、転移をきたしている症例だけを集めるという方法があるが、それではさらに時間がかかる。いづれにしても症例を揃えるのに時間を要す。そこで、症例を集めて濾胞癌特異的プローブ検討をすることと並行して、蛍光プローブの癌特異性について細胞株を用いて検討している。細胞株はGGT(γ-glutamyltranspeptidase)陽性細胞株を用いている。一部に興味深い結果がでているので、引き続き蛍光プローブの癌特異性についての検討を続けていく予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Development of a fluorescent probe library enabling efficient screening of tumour-imaging probes based on discovery of biomarker enzymatic activities2022

    • 著者名/発表者名
      Kuriki Yugo、Yoshioka Takafusa、Kamiya Mako、Komatsu Toru、Takamaru Hiroyuki、Fujita Kyohhei、Iwaki Hirohisa、Nanjo Aika、Akagi Yuki、Takeshita Kohei、Hino Haruaki、Hino Rumi、Kojima Ryosuke、Ueno Tasuku、Hanaoka Kenjiro、Abe Seiichiro、Saito Yutaka、Nakajima Jun、Urano Yasuteru
    • 雑誌名

      Chemical Science

      巻: 13 号: 16 ページ: 4474-4481

    • DOI

      10.1039/d1sc06889j

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Rapid imaging of lung cancer using a red fluorescent probe to detect dipeptidyl peptidase 4 and puromycin-sensitive aminopeptidase activities2022

    • 著者名/発表者名
      Kawashima Shun、Yoshida Daisuke、Yoshioka Takafusa、Ogasawara Akira、Fujita Kyohhei、Yanagiya Masahiro、Nagano Masaaki、Konoeda Chihiro、Hino Haruaki、Kitano Kentaro、Sato Masaaki、Hino Rumi、Kojima Ryosuke、Komatsu Toru、Kamiya Mako、Urano Yasuteru、Nakajima Jun
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 号: 1 ページ: 12665-9

    • DOI

      10.1038/s41598-022-12665-9

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 新WHO分類分化型高異型度がんについての症例検討2024

    • 著者名/発表者名
      日野るみ
    • 学会等名
      第36回日本内分泌外科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ヒト癌細胞株におけるγ-グルタミルトランスペプチダーゼ (γ-GTP) の癌特異的経路の病理学的検討2024

    • 著者名/発表者名
      三ツ木啓晃、吉橋諒太、日野るみ
    • 学会等名
      第56回日本医療検査科学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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