研究課題/領域番号 |
21K08595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
柏原 秀也 徳島大学, 病院, 特任准教授 (10548738)
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研究分担者 |
徳永 卓哉 徳島大学, 病院, 助教 (30448328)
西 正暁 徳島大学, 病院, 助教 (70464344)
高須 千絵 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (70582823)
吉川 幸造 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (80448331)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Metabolic surgery / DJB / 2型糖尿病 / NASH / 腸内細菌叢 / 肝発癌抑制 / Bariatric surgeery / gut microbiota / インスリン抵抗性 / 炎症性サイトカイン / 腸管透過性 / 肝発癌 / metabolic surgery / 便移植 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに我々は、ラットDJBモデルを用い肥満症に対する外科治療は2型糖尿病・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)改善効果を有し、その効果には腸内細菌叢Gut microbiomeの変化や胆汁酸が関与することを報告した。近年、この腸内細菌叢の変化は二次胆汁酸の低下やNKT細胞を増加させ、肝発癌抑制にも寄与することが報告されている。本研究ではMetabolic surgeryの腸内細菌叢を肥満・糖尿病ラットに移植することで、糖尿病やNASH改善とともに長期的には肝発癌予防も得られるかを検証する。またそこから得られた結果をもとに、ある特定の菌種をラットに経口摂取させ同様の変化が得られるかを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では肥満手術後の腸内細菌叢を用いることにより肥満・糖尿病や非アルコール性脂肪肝炎の改善とともに肝発癌予防も得られるかを検証しようと試みた。肥満糖尿病ラットを肥満手術群と開腹のみの群に分け術後肝発癌誘導剤を摂取させ術後6週で検体を採取した。その結果、血糖は両群間で差を認めなかったが、体重は肥満手術群で低下した。肝腫瘍形成に関しては両群で肉眼的腫瘍形成は見られなかったが、肝前癌マーカーは肥満手術群で少なかった。肝発癌に関与する遺伝子変化は差を認めず、腸内細菌叢も両群間で著名な変化がなかった。よって、肥満手術には肝発癌抑制効果を示す可能性は示唆されたものの、腸内細菌叢の変化は見られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではMetabolic surgeryによる腸内細菌叢・胆汁酸組成の変化、腸管炎症抑制、透過性低下に着目しインスリン抵抗性・NASH改善、肝発癌抑制効果を検討した。これまで不明とされていたMetabolic surgeryの肝発癌抑制効果を詳細に検討した報告は他に類を見ず、極めて斬新で、今後の肥満や肥満関連疾患に対する治療の一助となり得る。これが判明した際には内科的治療では改善できなかった肥満・2型糖尿病・NASHやそれらに関連する疾患、発癌に対する治療アプローチが一変する可能性があり、またこれまで肥満外科治療適応外とされてきた症例に対しても新たな治療オプションが提示できるかもしれない。
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