研究課題/領域番号 |
21K08604
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
尾田 高志 東京医科大学, 医学部, 教授 (90531187)
|
研究分担者 |
岩本 整 東京医科大学, 医学部, 教授 (00338831)
井上 暖 東京医科大学, 医学部, 助教 (40899473)
今野 理 東京医科大学, 医学部, 講師 (50385027)
山田 宗治 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10625164)
内田 貴大 東京医科大学, 医学部, 講師 (90865627)
上野 琢哉 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (00296469)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | ヒトパルボウィルスB19(PVB19) / PCR / 持ち込み感染 / 0時間移植腎生検組織 / PVB19レセプター / カプシド蛋白 / 腎移植 / ヒトパルボウィルスB19 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトパルボウィルスB19(PVB19)は、伝染性紅斑の原因となるDNAウィルスとして広く知られている。腎移植においてPVB19はレシピエントに持ち込まれると急性・慢性の感染合併症を惹起する可能性があり、かつ、腎組織に親和性が高くドナー腎組織内に潜在している可能性の高いウィルスであるにもかかわらず、術前の血清学的な評価は一般に実施されていない。また、健常なドナー腎組織におけるPVB19の存在に関する報告は非常に限られている。本研究では、ドナーの移植直前の腎生検組織を用い、PVB19の存在頻度・局在を解析することで移植腎からの持ち込み感染のリスク・機序を明らかにし、その対策に役立てる。
|
研究実績の概要 |
腎移植においてドナー腎組織中に潜伏して存在する各種DNAウィルスはレシピエントに持ち込まれ、感染症を発症するリスクが存在するが、実際のドナー腎組織内における各種ウィルスの存在頻度や局在は十分に検討・報告されていない。中でもヒトパルボウィルスB19(PVB19)は代表的なDNAウィルスの一つであるが、一般的な術前評価の対象となっておらず、リスク不明のまま腎移植が実施されているのが現状である。本研究では、ドナーの移植直前の腎生検組織(0hrバイオプシー)を用いて、移植腎組織中のPVB19の存在頻度・局在、レセプターの発現部位との関連性などを後方視的に解析し、PVB19の移植腎からの持ち込み感染のリスク・機序を明らかにし、その対策に役立てることを目指す。過去の0hrバイオプシー115例の凍結組織およびホルマリン固定パラフィン包埋組織を準備し、組織からDNAをキアゲンのキットを用いて抽出した。抽出したDNA中に含まれるPVB19 DNAの存在頻度をPCR法で解析したところ、約1/3という高頻度でPVB19が検出されることが判明した。そこで、さらにパラフィン切片を用いた免疫染色で、PVB19の蛋白レベルでの腎組織内での局在を確認するとともにPVB19のレセプターの発現に関しても、免疫染色で解析し、それらの関連性を2重染色で確認している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究内容を所属施設の医学倫理審査委員会に申請し承認を得た。承認後、腎臓を移植する直前0時間時点での移植腎生検組織(0hrバイオプシー)115例の凍結切片及びパラフィン切片からキットを用いて、total DNAを抽出、抽出DNAを用いたPCRで陽性コントロールのGAPDHがほぼ全てのサンプルで増幅されることを確認。さらに、約1/3の症例でPVB19のDNAの増幅も確認できている。免疫染色で蛋白レベルでの解析を追加し、論文作成、投稿準備中である。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までのデータを完全に統計解析、結果をまとめて、論文化し、投稿準備中である。投稿後のコメントにより追加実験を実施する予定である。
|