研究課題/領域番号 |
21K08605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
末吉 亮 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10724172)
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研究分担者 |
世川 修 東京女子医科大学, 医学部, 臨床教授 (30255682)
古橋 七海 東京女子医科大学, 医学部, 後期臨床研修医 (60911914)
山田 進 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (20827894)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 短腸症候群 / DPP4阻害薬 / GLP-1 / GLP-2 / IFALD / TGF-β / インクレチン / 肝線維化 / α-SMA染色 / NASH / 肝障害 / 腸管不全関連肝障害 / 敗血症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では糖尿病薬であるDPP4阻害薬を用いて、短腸症候群では罹患率約50%とい言われている腸管不全関連性肝障害(IFALD, 以下IFALD)について検討を行う。DPP4阻害薬は非アルコール性肝炎に対して、肝臓の脂肪沈着を抑制する効能が報告されている。 また、申請者らのこれまでの研究ではDPP4阻害薬の腸管バリア機能の増強を証明しており、IFALDの発症要因として重要な2つの要素(①肝臓の脂肪沈着②敗血症の発症)に対して抑制的効果を呈するものと考えられる。上記の仮説をラットを用いた短腸症候群および中心静脈栄養モデルにて、検討していく。
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研究成果の概要 |
短腸症候群(SBS)の直接死因の約30%を占める腸管関連性肝障害(IFALD)を克服するべく本研究に取り組んだ。ラットSBSモデルに中心静脈栄養を加えたIFALDモデルにて、経口糖尿病薬であるDPP4阻害薬の薬剤投与実験を行なった。DPP4阻害薬投与により、上記モデルにおいてASTが生食投与群と比較して有意に低下していた。また、病理組織にて脂肪沈着、および肝線維化の抑制効果を呈していた。このメカニズムとして、サイトカインおよびインクレチンを測定したところ、DPP4阻害薬投与によりGLP-1上昇を呈し、TGF-βの低減を誘導することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで短腸症候群の治療薬として世界的に認可されている薬剤は皮下注射製剤1剤のみである。小児に対して毎日皮下注射製剤を使用することは日々痛みを伴ってしまう。 また、1バイアル高額な薬剤の費用がかかるため、自ずと高額医療に至ってしまう。経口糖尿病薬であるDPP4阻害薬が短腸症候群に適応された場合には、皮下注射の痛みから解放されるだけでなく、約350分の1の薬価に抑えられる。
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