研究課題/領域番号 |
21K08615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
野竹 剛 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (40645511)
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研究分担者 |
清水 明 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 准教授 (00447773)
窪田 晃治 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (10598220)
副島 雄二 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30325526)
増田 雄一 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 准教授 (60467149)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 制御性T細胞 / NK細胞受容体 / follicular helper T細胞 / CD8 / flowcytometry / IRF2 / CXCR5 / Ly49 / 免疫寛容 / 臓器移植 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,CD8+ 制御性T細胞(CD8+ Treg)はfollicular helper T細胞(TFH)を抑制することで自己抗体産生を制御し,免疫寛容を維持していることが報告された.CD8+ Tregの特性や機能を解明することで,液性免疫を介した拒絶反応を制御することができる可能性がある. 我々はこれまでの研究で,CD8+ Tregに酷似した転写因子IRF-2依存性Ly49+ T細胞の存在を見出し,この細胞はTFHを抑制することにより液性免疫を介した臓器移植後の拒絶反応を制御しうる,との仮説を立てた.本研究ではLy49+ T細胞を用いた免疫寛容を誘導し得る革新的な細胞移入療法の開発を目指す.
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研究実績の概要 |
【前年度までの検討内容】本研究では、follicular helper T細胞(TFH)を抑制するとされるCD8陽性制御性T細胞(CD8 Treg)の性質に関する基礎的な検討と臓器移植への応用を目指して研究を開始した。過去の研究で我々が見出した転写因子IRF2依存性Ly49 T細胞に着目して検討を行ったが、同populationは、すでに報告されているCD8 Tregとはphenotypeが異なっていることが明らかになった。また、ペプチドを用いたex vivoのTFH刺激系のマウスモデルも確立に至らなかったこともあり、CD8 Tregに関する研究は断することとした 【令和5年度の検討内容】肝臓内のKupffer cellsの分化に与えるIRF2の影響について検討した。IRF2欠損マウスにおいては、肝臓内のKupffer cell(F4/80hiCD11b+Tim4+)の数は野生型マウスとで有意差を認めなかったが、Kupffer cell上のMHC classIIの発現が有意に減少していることを見出した。Macrophagesの活性化にはインターフェロンγ(IFNγ)が重要だが、IRF-2欠損マウスでは、IFNγの供給源(NK細胞やILC)が減少しており、これがKupffer細胞の分化に影響を与えている可能性が考えられた。腹腔内にIFNγを投与して補充する実験を行うと、IFNγ欠損マウスではKupffer細胞上のMHC classIIの発現は回復したが、IRF-2欠損マウスでは回復しなかった。この結果よりIRF2はNK細胞やILCに依存的でははく、直接Kupffer細胞の分化に影響与えていることが解明された。 【今後の展望】今回見出した知見が、肝移植をはじめとした実臨床の場面でどのような影響を及ぼしているか、in vivoや臨床サンプルを用いた検討に発展させていく予定である。
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