研究課題/領域番号 |
21K08631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
野本 周嗣 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40300967)
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研究分担者 |
高橋 真理子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00336687)
後藤 満雄 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60645191)
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
今澤 正彦 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10846091)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 扁平上皮癌 / 口腔 / 上部消化管 / 唾液細菌叢 / 唾液発現遺伝子 / 次世代シークエンス / 発現遺伝子アレイ解析 / バイオマーカー / 食道癌 / 口腔癌 / 咽頭・喉頭癌 / 唾液 / 発現アレイ / 細菌叢 / 次世代シーケンス / 咽頭、喉頭 / 食道 / 唾液腫瘍マーカー |
研究開始時の研究の概要 |
口腔から食道までの粘膜、組織を覆う採取しやすいサンプルであり、患者の状態をよく反映する安定した検体である唾液の細菌叢変化と遺伝子発現変化が咽頭、喉頭、食道までの扁平上皮癌患者、癌の高リスク者をいかなる変化で検出できるか、臨床応用可能なマーカーを抽出するようにしたい。
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研究実績の概要 |
口腔から咽頭、喉頭を経て食道に至るまでの扁平上皮は連続しており1日に1.5L分泌される唾液に暴露されている共通点がある。臨床的に口腔癌と食道癌など、複数部位での癌合併症例がしばしば認められる。進行すると予後、QOL共に不良であるこれらの扁平上皮癌の早期診断や発症危険群を簡潔に抽出することは意義がある。唾液は口腔から食道までの粘膜、組織を覆う採取しやすいサンプルで、常時分泌されるなど患者の状態をよく反映する安定した検体である。近年、癌の発生、進展が体液細菌叢の変化と関連する報告が見られ、唾液細菌叢の変化とも関連があることが示唆されている。また口腔から咽頭、喉頭、食道癌患者の唾液内の発現遺伝子変化も報告されている。 まずは病態を観察しやすく、唾液の影響を受けやすいと考えられ、さらには白板症という明確な前癌状態を有する口腔癌について、有癌患者、白板症患者と健常 者の唾液細菌叢を比較検討してきた。健常者10例、口腔癌患者16例、白板症14例の唾液DNAを次世代シークエンス解析することにより癌症例の唾液でRothia属、 Streptococcus属が有意に減少しSolobacterium属が有意に増加していることを見出し報告した。 また、癌患者の唾液では健常者や白板症患者と比較し有意に Fusobacteriumが多く認められることも判明した。 採取した唾液組織にてそれぞれの群での網羅的遺伝子発現解析をマイクロアレイにて行うと、口腔癌では、組織、唾液ともにCCL20遺伝子が高発現し Fusobacteriumの割合が異常高値であることを確認した。さらには、特に唾液検体で顕著であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
口腔白板症患者と癌患者での唾液発現遺伝子と細菌叢変化を検討するための唾液検体を集積した。これにより、細菌叢の変化については癌症例の唾液でRothia 属、Streptococcus属が有意に減少しSolobacterium属が有意に増加していることを見出し報告した。 また、前がん状態である白板症患者の唾液検体の集積も行ったが、 癌患者の唾液細菌叢のような顕著な変化を示さなかった。 唾液遺伝子発現に関しては、癌の診断マーカーとなりうるような特徴的な変化を示す遺伝子発現変化を抽出中であった。 しかし、令和5年8月から学舎の移転に伴って、研究室の一時閉鎖、移転、立ち上げなどがあり、研究がすすめられない時期が数か月以上にわたりあった。このため、課題を進めることができず令和6年度まで終了を延長することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
現状はがん患者16症例、白板症患者14症例の検体が採取できているが、さらに癌患者、白板症患者の検体を採取し、より多くの症例での唾液遺伝子発現のアレイ解析と唾液細菌叢変化を検討し、またそれらのコンビネーションの変化で癌症例、白板症症例の特徴を検出していきたい。 また、癌患者では切除術前と切除術後で唾液の細菌叢や発現遺伝子が変化するか、なども検討することが必要であると思われる。
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