研究課題/領域番号 |
21K08633
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
柴田 雅朗 大阪医科薬科大学, 医学部, 功労教授 (10319543)
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研究分担者 |
伊藤 裕子 大阪医科薬科大学, その他部局等, 功労教授 (40148432)
谷口 高平 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70779686)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | nSM2 / Smpd3 / エクソソーム / ノックアウト / ノックダウン / 乳癌 / 転移 / マウス / 転移抑制 / CRISPR/Cas9 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞の分泌するエクソソームは、転移に先立って転移予定先臓器に運ばれ、癌細胞の生着に都合の良い微小環境(前転移ニッチ)を形成すると言われている。そこで、エクソソーム分泌に関わるnSM2、Rab27aあるいはAlixをCRISPR/Cas9を用いたゲノム編集で転移性乳癌細胞からノックアウトし、ゲノム編集された乳癌細胞を移植し、転移前にセンチネルリンパ節で前転移ニッチの形成が起こるか否かを精査する。また、最終的にエクソソーム関連遺伝子のノックアウトで転移抑制が観察されるかを解析し、エクソソームと転移の関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
<背景と目的> 癌転移の成立には癌細胞の生着に適した転移先臓器での微小環境(前転移ニッチ)の形成が必要である。癌細胞の分泌するエクソソームには前転移ニッチを形成する能力があることや転移先臓器を規定するといった報告がある。また、癌の進展に対して促進的に作用しているとも報告されている。転移は癌による死因の殆どを占めていることから、エクソソーム分泌に関わる遺伝子を標的とする治療戦略を試みる。エクソソーム分泌に関わる遺伝子として、Neutral sphingomyelinase 2 (nSM2)、Rab27aおよびAlixの3遺伝子が知られている。そのうち、nSM2はエクソソーム形成の初期段階に関与し、他の経路と非依存的に進行することから、nSM2遺伝子(またはSphingomyelin phosphodiesterase 3、Smpd3と称される)を転移性のマウス乳癌細胞において、欠失あるいはノックダウンさせる。 <方法> マウスnSM2遺伝子のノックアウトベクターの作製と乳癌細胞株への遺伝子導入を株式会社セツロテックに依頼した。3種類のガイド配列を用いた乳癌細胞の中からノックアウト細胞のSingle cell cloneを順次、作製しているが、結果は芳しくなく、現時点でノックアウト細胞株を樹立していない。現在も実験中である。ノックアウトが上手くいかない場合を想定して、siRNAによるノックダウン戦略も実行してゆく。nSM2に対する有効なsiRNA配列を決定し、GFPの組み込まれたnSM2-shRNA発現ベクターを作製した。このnSM2-shRNA発現ベクターを用いて当該遺伝子をノックダウンさせる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
目的遺伝子が欠失した細胞をZsGreen1による緑色蛍光とG418によりセレクションし、引き続き限界希釈により、細胞をクローン化し、ノックアウト細胞を探しているが、予想以上に難航している。ノックアウトが出来ない場合を想定して、shRNA発現ベクターを乳癌細胞に組み込んで当該遺伝子をノックダウンさせ、転移抑制の評価をする。マーカー遺伝子GFPを組み込んだshRNA発現ベクターは既に作製済みである。
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今後の研究の推進方策 |
nSM2遺伝子をノックアウトした乳癌細胞あるいは当該遺伝子をノックダウンした乳癌細胞をマウスに移植し、対照群と比較して、全身諸臓器について病理組織学的に転移の有無を精査し、転移抑制に繋がるかどうかを評価し、転移抑制の治療ツールになり得るか否かを解析する。
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