研究課題/領域番号 |
21K08634
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
梨井 康 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 移植免疫研究室, 室長 (60321890)
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研究分担者 |
上田 祐司 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (10364556)
中川 美和 (森田美和) 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 客員教授 (90329699)
藤野 真之 国立感染症研究所, 安全実験管理部, 主任研究官 (50392329)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 免疫寛容 / 肝臓移植 / CyTOF / scRNA-seq / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、シングル細胞遺伝子発現解析による臓器移植後免疫寛容状態情報の構築することを目的とし、今まで見過ごされていた臓器移植後免疫寛容の誘導に伴う重要な細胞・関連発現遺伝子の変化の詳細を明らかにする。 本研究の目的達成のため、まずは移植後の動物あるいは患者の血液生化学的な指標、病理学的所見と、血液中の各細胞集団の経時的な変化についての関連性を解析する。以降、血清ならびに各細胞集団の遺伝子変化を、マスサイトメトリー、フローサイトメトリーによる細胞集団の分画とシングル細胞レベルでの網羅的なRNA発現解析の組み合わせによる解析を行う。
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研究実績の概要 |
臓器移植後の拒絶反応及び免疫寛容の誘導とその機序の解明は極めて重要である。マウス同種肝臓移植モデルにおいては、移植後拒絶反応の退縮・収束を経過して、自然的に寛容状態が誘導され、免疫抑制剤使用しないで拒絶反応、免疫寛容を解析する可能である。今年度は、今までの成果を踏まえて、移植免疫に対して、表と裏の関係にある腫瘍免疫におけるCD8/CD86陽性T細胞の意義について検討を行った。マウスメラノーマ腫瘍担癌モデルにおいて、CD86高発現CD8 T細胞は腫瘍およびマウス脾臓腫瘍内に存在したが、ナイーブマウスには存在しなかった。これらの細胞は、CD39やCTLA-4を含む共抑制性レセプターの顕著な発現とともに、IL-10の分泌亢進によって示される制御性表現型を示した。一方、CD8T細胞に特異的CD86を欠失させるマウスを作成し、検証を行ったところ、腫瘍の進行が抑制され、腫瘍特異的T細胞の抗腫瘍能が増強された。このマウスの腫瘍浸潤免疫細胞(TIL)におけるDCの抗原提示能力は、野生型マウスの樹状細胞よりもはるかに高かった。我々はin vitro実験により、IDOとCTLA-4の発現が高くなっていることを明らかにし、この細胞がDC細胞をDCreg細胞に誘導することにより、免疫調節機能を完成させている可能性を示した。このように、CD86高発現CD8T細胞はTME (Tumor Microenvironment)において極めて重要な制御的役割を担っていることを示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いままでは、マウス肝臓移植モデルの樹立・確認を行った上、CyTOFを用いて解析を行った。また、その結果を踏まえ、シングルセル遺伝子発現解析による臓器移植後拒絶反応及び免疫寛容状態情報の構築することを試みた。今年度は、マウス腫瘍担癌モデルを用い、または機能分子の欠損マウスを作成し、FACSにて解析・確認し、細胞傷害性T細胞のサブタイプや機能を詳細に解析し、移植・腫瘍免疫反応及び寛容のメカニズムの解明とその検証を行った。以上、概ね研究計画通りで、研究を順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の通りで、CyTOF、scRNA-seq解析で得られた所見を着目し、興味ある細胞集団の関連遺伝子等解析を進める。一方、以上の所見を移植・腫瘍モデルを用い、また、機能分子の欠損マウスを作成し、FACSにて解析・確認し、細胞傷害性T細胞のサブタイプや機能を詳細に解析し、移植・腫瘍免疫反応及び寛容のメカニズムの解明とその検証を進めたい。
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