研究課題/領域番号 |
21K08636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮城 重人 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00420042)
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研究分担者 |
後藤 昌史 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50400453)
戸子台 和哲 東北大学, 大学病院, 准教授 (50581641)
柏舘 俊明 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (60746345)
柿崎 裕太 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (80838037)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Muse細胞 / 過小グラフト / 類洞微小循環 / 心停止ドナーグラフト / 酸素化灌流 |
研究開始時の研究の概要 |
Maidaらの酸素化灌流法で心停止肝の類洞環境を改善し、これを細胞移 植 基 盤 と し て 再 生 能 力 の 高 い 幹 細 胞Muse細胞を融合できればブレイクスルーが起こると考えた。Muse細胞は本学出澤らが発見した元来生体に数%存在する多能性幹細胞で、遺伝子導入不要で癌化のない安全なエリート幹細胞(SSEA3陽性細胞)である。これを、Kakizakiらの灌流後評価法によって手術に耐えうる心停止肝を選別したうえで細胞移植することにより、移植臓器を幹細胞移植で早期修復再生するというハイブリッド移植が現実になり破棄されている臓器の有効活用にも繋がるのでは、と考えた。
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研究実績の概要 |
正常肝のラット20%過小グラフト移植モデルを作成し、こちらにヒトMuse 細胞および間葉系幹細胞(MSC)のブースト細胞移植モデルを付加する研究を継続した。ブースト移植細胞数を、MSC40万個、Muse40万個、MSC500万個(MSC500万個中にMuse40万が存在すると想定できる)で比較検討を継続した。 過小グラフト肝移植+ブースト細胞移植のモデルは既に当科で確立されているため、生存率には有意差が出なかったのは報告済である。しかし肝再生速度と肝代謝能力(ICG検査)の検討にてMuse40万個移植群は他群に比し有意にICG消失率が良好であった。臓器透明化技術を用いて肝類洞画像を撮影した。術後3日目のラットに蛍光標識デキストランを注射し、肝臓を摘出後、CUBIC protocolを用い肝臓を透明化し多光子共焦点レーザー顕微鏡にて3次元類洞画像を撮影。ImageJによる連続した平均類洞体積・表面積測定にて、類洞の開存性および連続性がMuse細胞40万投与でMSCに比し有意に改善していることが解ったICG検査が、MSC500万群で改善が不十分なのにMuseだけ改善した理由として、MSC500万群では細胞数が多すぎてかえって類洞閉塞したためということが解った。 さらに、Muse細胞はMSCと比較してHGF、VEGFAを高発現していることも一昨年から昨年にかけて確認し、Muse細胞の類洞保護効果がHGFやVEGFAによるものと想定できた。 昨年報告しているが、心停止ドナー肝グラフトに酸素化灌流を施行する類洞保護モデルもラットとブタで確立した。心停止ドナー無処置再灌流群と酸素化後再灌流群で細胞ブーストを行う比較研究を開始したが、今のところ、類洞再灌流障害の為か、両群ともに細胞生着・類洞修復を示唆するような結果は出ていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心停止ドナー無処置再灌流群と酸素化後再灌流群で細胞ブーストを行う比較研究を開始したが、今のところ、類洞再灌流障害の為か、両群ともに細胞生着・類洞修復を示唆するような結果は出ていないため。細胞が生着しやすい温度、灌流条件、細胞移植条件の検討が必要と思われる
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今後の研究の推進方策 |
今後、灌流液に細胞をブーストするモデルで、細胞が生着しやすい温度、灌流条件、細胞移植条件の検討を行っていく
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