研究課題/領域番号 |
21K08655
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
寺嶋 宏明 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 腫瘍研究部, 研究主幹 (40314215)
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研究分担者 |
宮内 智之 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 腫瘍研究部, 研究員 (10852303)
内田 洋一朗 京都大学, 医学研究科, 講師 (30597745)
渡邊 武 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 研究員 (40028684)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝虚血再灌流障害 / 概日リズム / 絶食 / 体内時計 / 肝臓外科 / 肝移植 / メタボローム解析 / 5-アミノレブリン酸 / ERAS |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は「絶食による概日リズムへの影響と、肝における強い虚血温再灌流障害抑制の関連性の解明、その因子を応用した肝臓手術の際の適切な周術期管理プロトコルの探索」である。 実際の外科領域では、周術期の回復力強化プログラムであるEnhanced Recovery After Surgery (ERAS)の観点から、絶食期間を短縮することが主流となっている。 本研究を通して、肝虚血温再灌流障害における絶食および概日リズムとの関係に着目することで、将来的には肝臓外科領域における虚血温再灌流障害抑制のための周術期管理への応用を目標とする。
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研究成果の概要 |
我々は夜間術前12時間絶食が肝虚血再灌流障害(IRI)に対し強い抑制効果を持つことを報告した。一方で生物には“概日リズム”が存在し、日中と夜間で各種の代謝産物の量が変動する。今回、絶食と虚血のタイミングがIRIに与える影響を検証した。 絶食とIR刺激の介入を夜間と日中の2群に分け、絶食の有無を含めた4群のマウスで肝酵素・組織所見・PCRによる比較検討した。12時間絶食は日中・夜間において自由摂餌群と比較し肝IRIを有意に抑制したが、夜間絶食でより高い効果を認めた。夜間12時間絶食の効果を再現する目的でメタボローム解析を行い、候補物質として5-アミノレブリン酸(ALA)を同定し効果を検討している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウスの肝温虚血再灌流障害モデルを用いた実験系で、12時間絶食の介入が強力な肝虚血再灌流障害の抑制効果を発揮することを解明した。しかしながら、ヒトへの応用を考えると、肝硬変を背景にもつ患者が多い肝臓外科手術において、絶食を臨床適応することは難しい。今回、概日リズムが肝虚血再灌流障害に及ぼす影響を検証したが、一定の見解は得られなかった。しかし、抑制効果が著明であった夜間12時間絶食後の肝臓の代謝産物を検討することで、絶食状態に近い効果を発揮する物質を見出した。負担の少ない介入で、術後肝機能障害を予防することができれば、根治性の高い手術を、より回復しやすい状態で行うことが可能になる。
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