研究課題/領域番号 |
21K08663
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
栗山 直久 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (80525329)
|
研究分担者 |
前田 光貴 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (00868812)
新貝 達 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40860672)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 肝虚血再灌流障害 / 内皮細胞障害 / 抗凝固作用 / 血管内皮細胞障害 / 虚血再灌流障害 / FXa阻害剤 / トロンビン / エドキサバン / FXa / 組織因子 / 凝固Xa因子 |
研究開始時の研究の概要 |
肝虚血再灌流障害は未だに解決されていない課題である. その大きな原因の一つとして, 血管内皮細胞障害による組織因子(TF)発現から始まり, 凝固第Xa因子(FXa)を介して, Thrombin活性に至るsignaling cascadeが存在し, このcascadeでkeyとなるTF, FXa, Thrombinを制御することで, 肝虚血再灌流障害におけるその作用機序についても解明する.
|
研究成果の概要 |
マウス肝虚血再灌流障害(IRI)において直接Thrombin阻害剤(Dabigatran)は、トロンビンを介した細胞傷害シグナル伝達を阻害することにより、内皮細胞を肝IRIから保護した。またDabigatranによって内皮細胞上の内因性TMが増強されると、肝IRIに応答して内皮細胞から分泌される過剰なHMGB-1が不活性化された。最終的にHMGB-1の類洞外への浸潤の減少が肝細胞の保護につながった。 マウス肝IRIにおいて凝固Xa因子阻害剤(Edoxaban)は、類洞における微小血栓症を防御し、FXa-PAR-2が誘発する類洞内皮細胞における炎症を抑制することによって、肝IRIを改善した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Thrombinと凝固Xa因子を阻害し、凝固と炎症反応をともに抑制することで、肝IRIだけでなく, 敗血症等への治療の応用が可能となる。また今回使用した阻害剤は、すぐに臨床応用可能であり、周術期使用で過度の凝固機能抑制からの出血が危惧されるが、すでに特異的拮抗剤も開発されている事から、有望な治療薬となり得る。この得られる成果の学術的、治療学的意義は非常に大きく、特に末期肝不全患者に対する臓器移植のドナープール拡大や、高度進行肝細胞癌および胆管癌患者において、手術適応拡大や、周術期管理などの安全性の向上を図ることが可能となり、世界的に大きなインパクトを与えるものと考える。
|