研究課題/領域番号 |
21K08671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
森 大樹 徳島大学, 病院, 特任助教 (70448330)
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研究分担者 |
石橋 広樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (20314867)
岩橋 祥子 (山下 祥子) 徳島大学, 病院, 医員 (20825195)
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60398021)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵・胆管合流異常 / 発がん / Inflammasome / macrophage / fibroblast / Nrf2 addiction / Inflammasome活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
膵・胆管合流異常は、胆道癌を高率に発症することが報告されている。その発癌プロセスとして、今までは主に胆道上皮の変化について検討されているが、胆道上皮間質の線維芽細胞、免疫担当細胞については今までに検討されていない。一方、Nrf2は抗酸化・抗炎症作用を有しているにも関わらず、Nrf2 addictionを介したインフラマソーム活性化が様々な炎症関連疾患の発症・進展だけでなく炎症関連発癌にも関与していると最近報告されている。 本研究では慢性炎症下の膵・胆管合流異常における胆道癌発癌機構に関し、胆道上皮だけでなく胆道上皮間質細胞も含めてNrf2依存的インフラマソーム活性化経路の関与を明らかにする。
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研究実績の概要 |
膵・胆管合流異常(pancreaticobiliary maljunction:PBM)は、膵液の胆道内逆流によって様々な病態を引き起こし、特に胆道癌を高率に発症することが報告されている。その発癌プロセスとして、胆汁中成分の変化、胆道上皮の形態変化・細胞回転亢進・p53などの遺伝子発現変化などが研究され、主に胆道上皮の変化について報告されている。しかしながら、胆道上皮間質の線維芽細胞、免疫担当細胞についての検討は今までに全くなされていない。一方、Nrf2は抗酸化・抗炎症作用を有しているにも関わらず、Nrf2 addiction(Nrf2依存)を介したNLRP3 Inflammasome活性化が様々な炎症関連疾患の発症・進展だけでなく炎症関連発癌にも関与していると最近報告されている。本研究では慢性炎症下の膵・胆管合流異常における胆道癌発癌機構に関し、ヒト検体での検討により胆道上皮だけでなく胆道上皮間質の線維芽細胞・免疫担当細胞におけるNrf2依存的Inflammasome活性化経路の関与も含めて明らかにすることを目的とする。 令和4年度は、ヒト摘出検体における正常部と前癌病変部と癌部での検討として、新たな症例を蓄積しつつ、摘出した胆嚢粘膜上皮と間質におけるInflammasome活性化について免疫組織学的染色を行ったところ、胆嚢粘膜上皮においてNLRP3に加えてcaspase-1が拡張型PBM、非拡張型PBM、PBM合併胆嚢癌でcontrolより有意に高発現であった。さらに、胆道上皮間質におけるNLRP3およびcaspase-1は拡張型PBM、非拡張型PBM、PBM合併胆嚢癌でcontrolより有意に高発現であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の研究実施計画では、臨床検体での胆道上皮と間質のNrf2依存的Inflammasome活性化についての検討することであり、その足掛かりとして非担癌膵・胆管合流異常症例、担癌膵・胆管合流異常症例、胆嚢摘出術施行症例(慢性胆石胆嚢炎症例も含む)のヒト摘出検体を順調に集積しており、また免疫組織学的染色とその解析も順調に進んでおり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに集積した非担癌小児・成人膵・胆管合流異常症例、担癌成人膵・胆管合流異常症例、胆嚢摘出術施行症例(慢性胆石胆嚢炎症例も含む)のヒト摘出検体を用いて、引き続き発癌関連遺伝子についての免疫組織学的染色を行い、胆道上皮と間質の間のinteractionにおいてそれぞれのタンパク発現の解析を行い、前癌病変部と癌部と正常部において比較検討していく予定である。さらに、ヒト検体の集積も同時に行っていく予定である。
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