研究課題/領域番号 |
21K08672
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森崎 隆 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90291517)
|
研究分担者 |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
三好 圭 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70755272)
永見 雅代 (梅林雅代) 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80792209)
永井 俊太郎 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90755240)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | PTPN3 / 樹状細胞 / 細胞傷害性Tリンパ球 / CD80 / CD86 / IFN-gamma / グランザイムB / 癌免疫治療 / 抗原提示能 / 捕捉能 / リンパ球 / 遊走能 / 癌組織浸潤リンパ球 / 細胞傷害性リンパ球 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、活性化リンパ球で発現亢進するチロシン脱リン酸化酵素:protein tyrosine phosphatase non-receptor type3 (PTPN3)が新たな免疫チェックポイント分子である可能性を見出した。一方、リンパ球への抗原提示に極めて重要な抗原提示細胞である樹状細胞の機能評価は免疫治療を開発する上で重要であるが、PTPN3分子が樹状細胞でどのような役割を持つかは分かっていない。本研究では「樹状細胞におけるPTPN3の生物学的意義を解析し、PTPN3抑制治療が樹状細胞機能も活性化できる新たな癌免疫治療となり得るか検証する」ことを主目的として研究する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、protein tyrosine phosphatase non-receptor type 3 (PTPN3)抑制治療が樹状細胞機能も活性化できる新たな癌免疫治療となり得るか検証する、ことを主目的とする。本年度は昨年度の懸案事項であったPTPN3抑制による樹状細胞の表面抗原発現の解析を行った。その結果、PTPN3抑制により、成熟DCのCD80、CCR7発現が亢進することが分かった。HLA-class I/IIの発現には影響を及ぼさなかった。次に樹状細胞のリンパ球刺激能を解析するため、HLA-A24拘束性で腫瘍細胞を認識する活性化リンパ球を誘導した。その活性化リンパ球誘導に際し、PTPN3を抑制した樹状細胞を用いた群、PTPN3を抑制していない樹状細胞を用いた群の2群作成した。それら誘導した活性化リンパ球と腫瘍細胞を共培養して、培養上清中のIFN-gamma、グランザイムBを測定した結果、PTPN3を抑制した樹状細胞で活性化したリンパ球で有意に産生が高いことが分かった。また、生存している腫瘍細胞数の評価では、PTPN3を抑制した樹状細胞で活性化したリンパ球を投与した群で、有意に腫瘍細胞が死滅していることが分かった。これらの結果は、樹状細胞におけるPTPN3抑制は、樹状細胞のリンパ球活性化能を亢進していることを示唆している。本年度は、このIn vitroでの実験結果を免疫不全マウスを用いた系で治療実験を行うことにより再評価する。また、PTPN3抑制による樹状細胞の活性化が、どのシグナル経路を通るのかを評価していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
樹状細胞におけるPTPN3抑制は、樹状細胞のリンパ球活性化能を亢進していることが分かってきた。本研究の目的に沿う結果が出てきている。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は、本年度得られたIn vitroでの実験結果を免疫不全マウスを用いた系で治療実験を行うことにより再評価する。また、PTPN3抑制による樹状細胞の活性化が、どのシグナル経路を通るのかを評価していく予定である。
|