研究課題/領域番号 |
21K08677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
内野 基 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00388810)
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研究分担者 |
石戸 聡 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10273781)
中西 裕美子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (10614274)
堀尾 勇規 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10838999)
小椋 英樹 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20573174)
加藤 完 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (20632946)
孫 安生 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30447924)
皆川 知洋 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70839000)
池内 浩基 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80319863)
桑原 隆一 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90839010)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 回腸嚢炎 / 腸内細菌 / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
潰瘍性大腸炎は再燃を繰り返す難治性疾患で難病指定疾患である。年々患者数は増加し20万人を超えている。その発症の要因の一つには腸内細菌叢の関与が推測されているが、具体的なメカニズムは不明である。潰瘍性大腸炎の関連疾患である回腸嚢炎の発症前後での腸内細菌叢異常を解明する事を第一の研究目的とし、さらにその応用により潰瘍性大腸炎の病因解明を次の目的としている。今回の研究内容は回腸嚢炎の治療前後での炎症悪化、抑制の候補となる細菌候補を見出し、マウスへ移植して、炎症の原因細菌および代謝産物の同定を試みる。その結果をもとに新たな抗菌薬やバイオティクス治療の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
潰瘍性大腸炎(UC)は原因不明の難病であるがその発症には腸内細菌との関連が示唆されている。UC関連疾患である回腸嚢炎の発症における腸内細菌叢異常の関与を解明し、腸内細菌叢の関与へのヒントを得る事を目的としている。 これまでに約165例の患者便サンプルを採取、DNAを抽出した。16s rRNAのV1領域にて解析を進め、Enterobacteriaceaeが炎症時、優位に増加しており、炎症の程度と正の相関を認めた。抗菌薬治療が著効した場合には、治療前に約40%を占めていたFusobacteriaceaeがほぼ消失したていた。また、Lactospiraceae、Bifidobateriaceaeが炎症時、優位に減少しており、それぞれ炎症スコアとの負の相関を認めた。次いで、細菌のマウスへの移植による解析を進めた。細菌移植を受けるマウスの常在細菌を除去し、便サンプルを投与した後、大腸粘膜固有層の炎症状態を調査している。高度炎症のサンプルは、マウス大腸において炎症細胞を優位に増加させた。Fusobacteriaceaeはマウス大腸において炎症細胞を優位に増加させ た。炎症を惹起しうる候補としてF. mortiferum、Enterobateriaceaeの細菌が挙げられた。また、Lactospiraceae, Bifidobateriaceaeは炎症を抑制する可能性も示唆された。そして代謝産物解析では回腸嚢炎により酪酸、酢酸、胆汁酸の減少を認めた。現在、検体採取と関連細菌の候補解明を継続しつつ、関連細菌の単離、炎症惹起能(炎症性サイトカイン、病原性Th17誘導能)、炎症抑制能力(iTregの誘導、抑制性サイトカインIL-10の誘導能力)について調べる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の影響もあり検体採取が予定よりも鈍った。また、原因候補細菌の単離培養、マウスへの便サンプル投与、定着にやや難渋している(定着不良)。
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今後の研究の推進方策 |
COVID対応もほぼ安定し、今後さらに解除されるため、サンプル採取を継続して増やす予定。並行して細菌単離培養、マウスへの移植を継続する。
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