研究課題/領域番号 |
21K08680
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
川端 麗香 群馬大学, 未来先端研究機構, 講師 (90721928)
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研究分担者 |
小林 良祐 群馬大学, 生体調節研究所, 日本学術振興会特別研究員(PD) (30802855)
畑田 出穂 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (50212147)
大日方 英 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50332557)
横堀 武彦 群馬大学, 未来先端研究機構, 准教授 (60420098)
調 憲 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264025)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵がん / O-GlcNAc修飾 / 新規治療標的 / KRAS / O-GlcNAc / 抗がん剤感受性 / 多階層オミクス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
最近申請者は、膵がん症例に対する多階層オミクス情報の統合解析を実施した結果、O-GlcNAc分解酵素 (OGA) 経路がKRAS変異のない膵がんの治療標的となり、抗がん剤の感受性に影響を与える可能性を示唆する結果を得た。本研究ではその効果の検証と分子機構の解明を目指し、① OGA経路抑制による抗腫瘍効果・抗がん剤感受性の相乗効果を実証するとともに、② ゲノム編集および次世代シーケンサー、質量分析計を用いたオミクス解析を実施し、詳細な分子機構を解明し、③臨床検体を対象としたオミクス解析を行いその有用性を評価する。本研究の成果は、膵がんの予後改善をもたらす新規治療法開発に資するものと期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、膵がん治療におけるO-GlcNAc分解酵素OGA経路の重要性とその分子機構の解明を目指すものである。 本年度は、KRAS変異陽性・陰性の膵がん細胞株を利用し、OGA阻害による細胞増殖能が抑制の確認と、メカニズムの策定を行なった。 まず、KRAS変異陽性細胞2種類と、陰性細胞2種類を対象に、OGA阻害による細胞増殖能の抑制を確認するために、shRNAによるノックダウン、阻害薬 (PUGNAC) を用いOGA経路を阻害し、細胞増殖能を生細胞数測定、コロニー数測定で評価したところ、KRAS野生型細胞株でKRAS変異細胞株よりも顕著な細胞増殖能の低下を認めた。 OGA阻害細胞を対象としたRNA-seq解析を実施し、OGA阻害による細胞増殖能、コロニー形成能抑制に関わる経路を抽出した。 また、O-GlcNAc抗体を用いた免疫共沈降法を用いて、OGA阻害細胞において細胞内タンパク質のO-GlcNAc修飾が増加することを確認した。 現在、質量分析計を利用した、OGA阻害細胞株の網羅的O-GlcNAc修飾プロテオーム解析を実施している。さらに、OGA阻害による抗がん剤(5-FU)感受性への影響を検討し、現在オミックス解析を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OGA阻害細胞の細胞増殖能、コロニー形成能、薬剤感受性試験、および処理細胞のRNA-seq解析と順調に進んでいる。 O-GlcNAc抗体を用いた免疫共沈降法では、これまで使用していた抗体では濃縮効率が低かったため、新たな抗体を購入し、十分に濃縮することが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
1) 抗がん剤感受性への影響の検証: KRAS変異陽性・陰性の膵がん細胞株を利用し、OGA阻害による効果を検証する。shRNAによるノックダウン、CRONUS systemによるノックアウト、阻害薬 (PUGNAC等) を用いOGA経路を阻害し、抗がん剤 (Gemcitabine) 感受性への影響を生細胞数測定あるいはコロニー形成アッセイで評価する。
2) 細胞増殖能・抗がん剤感受性を引き起こすメカニズムの検討: OGA阻害細胞のトランスクリプトミクス、O-GlcNAc修飾・リン酸化タンパク質の網羅的解析を行う。具体的には、処理細胞のRNA-seqおよび、O-GlcNAc抗体、リン酸化セリン・スレオニン抗体で免疫沈降し、質量分析計TripleTOF 6600を用い網羅的に定量する。
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