研究課題/領域番号 |
21K08686
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
有馬 浩太 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (10792616)
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研究分担者 |
石本 崇胤 熊本大学, 病院, 特任教授 (00594889)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / コリバクチン産生大腸菌 / 大腸癌 / 西洋型食生活 / microbiome / 大腸がん |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト腸内細菌叢の総重量は肝臓に匹敵し、免疫や代謝など様々な影響を及ぼすことから1つの臓器とも例えられる。ヒト寄生細菌の9割は大腸内に生息しており、直接細菌と接することから悪性腫瘍の中でも大腸癌と強く関連することが示唆されている。また腸内細菌叢は食事やライフスタイルとも密接に関連しており、交絡因子が多数存在することから、詳細な解析には食生活や嗜好品などを含む包括的なデータベースが必要となる。本研究の目的は、大腸癌の危険因子として知られる西洋型食生活が腸内細菌叢を介して大腸癌発癌および進展に与える影響について大規模コホート研究を用いて検証し、そのメカニズムを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
2020年に世界で初めて細菌による遺伝子変異原性が確認されたコリバクチン産生菌のうち、特にヒト大腸の中で圧倒的多数であるコリバクチン産生大腸菌(pks+ E. coli)に注目した。米国で長期間追跡された2つの大規模コホート研究で発生した大腸癌組織を用いてpks+ E. coliを測定して検出し、西洋型食生活スコアによる大腸癌発生率を3,766,179人年のfollow up期間を用いて評価すると、西洋型食生活高摂取者は低摂取者と比較して、pks+ E. coli陰性大腸癌罹患率は1.1倍であった一方で、pks+ E. coli陽性大腸癌罹患率は3.45倍と有意に関連の強さの違いを認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
赤身肉や高脂肪食を中心とした食事である西洋型食生活が特定の細菌・毒素を介して明らかに大腸がんの発癌リスクを高めることが示唆された。医療費および薬剤費が年々膨大となる本邦において、予防医療は今後益々重要になる研究分野の一つである。食生活による大腸癌発癌リスク著増を示す当研究は、国民に対して食生活において警鐘を鳴らす一報となり、また癌研究においては腸内細菌叢と大腸癌発癌におけるメカニズム解明の一助となると思われる。
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