研究課題/領域番号 |
21K08697
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
奥山 哲矢 関西医科大学, 医学部, 博士研究員 (80614966)
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研究分担者 |
西澤 幹雄 立命館大学, 生命科学部, 教授 (40192687)
中竹 利知 関西医科大学, 医学部, 助教 (40779401)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | センスオリゴ / 核酸医薬 / 肝虚血再灌流障害 / 炎症メディエーター / アンチセンス転写物 / 誘導型一酸化窒素合成酵素 / センスオリゴヌクレオチド / 肝障害 / 虚血再灌流障害 / 肝移植 / 肝切除 / 肝再生 / iNOS / 一酸化窒素 / TNF-α / 非コードRNA |
研究開始時の研究の概要 |
肝虚血再灌流障害は、拡大肝切除や肝移植などの術後合併症の原因の1つとなる。病態の要因は、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)や腫瘍壊死因子(TNF-α)などの発現亢進がある。我々は、iNOS mRNAに相補的な配列をもつiNOSアンチセンス転写物がmRNAの安定性に寄与すること、mRNA安定性を阻害するiNOSセンスオリゴヌクレオチド(センスオリゴ)が肝障害敗血症モデルラットに対し保護効果を示すことを報告した。 本研究では、肝虚血再灌流障害モデルにおいて、(1)肝臓における発現変動から障害に関わる遺伝子を特定し、(2)障害遺伝子のセンスオリゴが、mRNA発現の調節を介して肝保護効果を評価する。
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研究成果の概要 |
肝虚血再灌流障害(HIRI)が拡大肝切除や肝移植の術後合併症の原因として問題となる。 ①肝切除を伴うラットHIRIモデルでは、誘導型一酸化窒素合成酵素のアンチセンス転写物(iNOS-AS)に作用する機能性食品・薬剤が抗炎症効果を示して肝障害を緩和した。さらに、HIRIによって肝組織で誘導された遺伝子の中から核酸医薬センスオリゴを設計し肝保護作用の解析を進めた。 ②ラット肝移植モデルでは、肝組織で炎症性サイトカイン・ケモカインや抗酸化、ヒートショック関連の抗ストレス性遺伝子の発現が有意に変動した。iNOS-ASに対するセンスオリゴ投与は、iNOS mRNA発現や灌流液の肝逸脱酵素活性を低下させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
術後合併症の原因として問題となるHIRIには、一酸化窒素(NO)や腫瘍壊死因子などの炎症メディエーターが関与する。関連する遺伝子の発現を調節することが、障害の根本的治療に重要である。NO合成酵素のiNOS発現は、ASを介する新規機序により調節される。本研究では、HIRIモデルでiNOS-ASに作用するiNOSセンスオリゴおよび機能性食品・薬剤が肝障害を緩和した。iNOS-ASを介した iNOSセンスオリゴが障害抑制に有効性であることが示された。他の遺伝子に対するセンスオリゴについても解析し、詳細な肝保護効果の分子機序を解明できれば、HIRIを根本的に治療する核酸医薬の開発に貢献できる。
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