研究課題/領域番号 |
21K08706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
水野 修吾 三重大学, 医学系研究科, 教授 (70335131)
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研究分担者 |
藤井 武宏 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00640690)
村田 泰洋 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20572655)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 化学放射線治療 / 膵癌 / microRNA |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌治療において我々が患者予後を大きく左右すると考える2つのターニングポイント、いわゆる治療開始時化学放射線治療(CRT)感受性および手術時潜在的遠隔転移の存在において、患者を層別化し至適治療選択を可能とするバイオマーカーをmiRNAの遺伝子情報の中に見いだし、さらにmiRNAがCRT感受性および潜在的遠隔転移に関与するメカニズムの解明を行う。最初に行う臨床研究では、実際の患者血液サンプルと臨床データを使い、CRT感受性および潜在的遠隔転移に関連する候補miRNAの探索および絞り込みを行い、続く基礎研究ではマウス腫瘍細胞株移植モデルを用いて両機序におけるmiRNAの機能解析を行う。
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研究実績の概要 |
1)臨床検体においての膵癌集学的治療効果の予測バイオマーカーについての検討を行った。 膵癌切除標本における病理組織診断において、筋層をもつ脈管への侵襲(MVI: muscular vessel invasion)は予後因子であることが報告されていないため、GS併用化学放射線療法(GS-CRT)後の膵癌切除症例におけるMVIの意義を検討した。2012/5~2017/11にGS-CRT後に膵切除に至った膵癌95例(R/BR-PV/BR-A/UR-LA: 25/16/21/33)を対象とした。各項目において疾患特異的生存率(DSS)を比較した。MVI(無/有)は74/21例(80.4/19.6%)、DSS中央値は38.5/23.9か月であった(P=0.052)。ly およびvをそれぞれly (0/1-3)、v (0/1-3)の2群に分類すると、いずれも 80/15例で、DSS中央値は37.2/20.6か月であった (P=0.059)。その他の項目では、ne (0/1-3)でDSS中央値がNA/28.6か月(P=0.003)、腫瘍径(P=0.063)・mpd (P=0.071)・PL (P=0.076)・組織学的効果 (P=0.067)が予後に影響を及ぼす傾向にあった。CRT後の膵癌切除標本において、MVIは脈管侵襲の評価をより実用性の高いものとし、予後因子となる可能性がある。 2)in vivo:ヒト膵臓腺癌細胞(Panc-1)を用いてコントロール群、放射線照射群(8 Gy /48時間)、GS+放射線照射群でTdT-mediated dUTP nick end labeling(TUNEL)法により腫瘍細胞の壊死やアポトーシスを評価し、治療効果を検討した。現在、生後8週のICR SCID mouseに未治療と治療後のヒト膵臓腺癌細胞(Panc-1)を皮下移植し、移植可能可動化の判定を行い、その後は膵内、脾被膜下、腹腔内に注入し、局所膵癌、肝転移、腹膜播種モデルを作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究体制を再構築していることと倫理申請の遅れのため、全体の研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床検体を用いた研究が遅れている。動物実験など既存検体を有効活用して、研究を継続したい。
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