研究課題/領域番号 |
21K08716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
渡部 かをり 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20871263)
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研究分担者 |
志賀 一慶 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20747282)
高橋 広城 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30381792)
松尾 洋一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40381800)
瀧口 修司 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00301268)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 癌関連線維芽細胞 / CAF / Chitinase 3-like 1 / CHI3L1 / 大腸癌 / Chitinase3-like1 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,癌間質相互作用が癌進展を促していることが明らかになりつつあり,間質の主成分である癌関連線維芽細胞(以下CAF)が注目されている.しかしそのメカニズムの全容は依然として明らかではない.今回我々は大腸癌のCAFから多くのChitinase 3-like 1が分泌されていることを確認し,これが癌進展に影響している可能性を考えた.Chitinase 3-like 1を通してCAFが癌進展に影響するメカニズムを解明することにより,従来の薬剤とは全く異なる薬剤の開発へとつながり,大腸癌のみならず多種の固形癌において,耐性化した癌の治療,また従来の薬剤と併用可能な新たな癌治療に寄与できると考えられる.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,癌関連線維芽細胞(以下CAF)から分泌されるChitinase3-like1(以下CHI3L1)が大腸癌の進展,すなわち増殖や遊走,浸潤,血管新生能にどのように関与しているのか,またそのメカニズムを解明することであった.CHI3L1の起源について既存文献の多くは癌細胞からの分泌と報告しており,CAFの関与を言及した上でメカニズムの全容を解明した報告はなかったが,今回我々はサイトカインアレイやELISAにて,CAFから多くのChitinase 3-like 1が分泌されていることを確認しており,CAFに関与する癌進展に影響している因子として着目した. CHI3L1が癌細胞よりもCAFで強く発現し分泌が多く、さらに血管新生因子のIL-8についてもCAFは癌細胞よりも多く分泌されており、CHI3L1投与にてIL-8分泌亢進がみられたことからCAFから分泌されるCHI3L1とIL-8が癌血管新生能に関与すると考えられた。 さらにCHI3L1がCAFから分泌される機序、また癌血管新性能を亢進させる機序についてを明らかにするべく、CHI3L1のレセプター発現の有無についての実験を行った。CHI3L1のレセプターとして報告されているIL-13Rα2が、癌細胞よりCAFで強く発現しており、さらにそれのノックダウンさせたCAFでCHI3L1投与によるIL-8発現増強を抑制させる結果が得られた。また、CAF上清を用いたTube Formation Assayを行い、CAFから分泌されるCHI3L1とIL-8が実際に血管新生に与える影響を示すことができた。 これらにより結論として、大腸癌微小環境においてCHI3L1は主にCAFから分泌され、CAF自体に作用すること、さらにCAFに対するCHI3L1の作用は、IL-8の分泌を促進し、これが癌の血管新生を誘導することを示すことができた。
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